9月1日の代表選で前原誠司氏が新代表に決定、5日に新体制の役員人事が決定してスタートした前原・民進党。「旧民主系にあらずんば所属議員にあらず」といわんばかりの風潮が蔓延し、旧維新系議員などへの風当たりには厳しいものがあるという。衆議院の解散、総選挙も近いという報道が相次ぐ中、今こそ「悪しき体質」を改めなければ、選挙もまともに戦えないのではないか。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)
旧民主党に支配された
「なんちゃって」新党
9月5日、前原民進党がスタートした。
「All for all」というのが、その理念だそうだ。「すべての生活者の『尊厳ある社会保障』を実現する」というのがその真意だそうで、代表代行に就任した枝野議員は自らが代表選において掲げた「お互いさまに支え合う」と共通した社会像だとしている。
そうであれば、党運営も当然「All for all」でということになると思うが、これまでの実態を踏まえると、あまり期待できそうもない。民主党と維新の党が合流して発足した民進党、「合流」とは言っても実質的には数で勝る民主党による維新の党の“吸収合併”だ。
党内手続きから政調での審議の進め方まで民主党に右へ倣えのような状況で、旧維新系の議員たちは当初は「お客さん」扱いだったところ、次第にこれに翻弄されるか飲み込まれるようになっていったようだ。無論、旧維新系でも民主党からの流れ組は古巣へ戻るのと同じことなので、彼らには当てはまらないが…。
今回の前原執行部の顔ぶれを見ても、旧維新系は見事にほぼ排除されて、まるでかつての民主党が復活したかのようだ(執行部入りを打診されたが断った旧維新系議員もいるとは聞くが)。