
室伏謙一
2月9日、積極財政により特化した議論・検討を行うべく、新たな議連「責任ある積極財政を推進する議員連盟」が設立された。この議連は、今後どのような活動を行っていくのであろうか。設立総会の全貌をお届けする。

国土交通省の所管する建設工事受注動態統計調査に関して、データの書き換えや二重計上が発覚し、公的統計の信頼を揺るがす大きな問題となった。臨時国会の後半、連日のように取り上げられ、政府は説明と釈明に追われた。問題の本質はどこにあるのだろうか。

臨時国会に先立ち、自民党の政務調査会に「財政政策検討本部」が設置された。外部専門家も招いてその意見を聞きつつ、議論が進められていくことになる。有益な提言を取りまとめ、積極財政への大転換のエンジンとなり得るのだろうか。

今回の選挙、あまり盛り上がっていないようにも見受けられるが、そもそも争点は何なのだろうか。それは、緊縮財政を続けるのか積極財政に大きく転換するのか、新自由主義政策を続けるのか新自由主義から脱するのか、である。

岸田文雄氏が勝利した自民党総裁選は、新自由主義から脱却し、積極財政で国難から日本を救う方向性が明確になった点で画期的だった。岸田新総裁はひ弱なイメージを払拭して指導力を発揮するため、決選投票でタッグを組んだ高市早苗政調会長の政策を上手に丸のみすべきではないか。

大手メディアは世論調査の結果と政局ばかり報じ、政策論がまるで深まらない自民党総裁選。躍る発言やキャッチフレーズにとらわれず、各候補の政策を徹底的に検証してみて辛口採点してみた。真の保守主義の観点から、新型コロナウイルス禍に苦しむ日本を救う候補者は誰なのだろうか。

米国ウォール街を代表する投資銀行の一角であるゴールドマン・サックスが今月、日本で銀行業の免許を取得した。さほど注目されないが、彼らの動きは、菅義偉政権が執心する中小企業“再編”という名の淘汰政策に加え、銀行法改正とタイミングを一にしているのが分かる。泣く子も黙るゴールドマンの狙いはずばり、日本各地の優良中小企業を食い散らかすことではないだろうか。

コロナ禍の今、経済産業省が「大きな政府」に大転換した“切実な理由”
経済産業省の産業構造審議会が、「経済産業政策の新機軸」という画期的な方針を打ち出した。新型コロナウィルスの感染拡大による社会経済の世界的な変化を受け、日本が採用すべき「経済産業政策の新規軸」をまとめたものだ。主要国がすでに転換し始めたように、「小さな政府」から「大きな政府」に転換する必要性を訴えている。特に注目されるのが、産業政策における「大規模・長期・計画的」な財政出動を求めていることだ。この「新規軸」が実現しなければ、日本の貧国化は免れないだろう。

新型コロナウイルスの感染拡大の陰に隠れて、大きな国民負担につながる法案が国会に提出されている。小泉進次郎環境大臣肝いりの「プラスチック新法」案は、コンビニエンスストアを狙い撃ちにしつつ、詳細を規定しないまま事業者に罰則を設ける内容だ。国会での十分な審議も期待できない。小泉大臣は得意満面の様子だが、あまりに無責任ではないか。

菅政権の目玉政策であるデジタル化の推進や中小企業再編、地方銀行再編のためのデジタル改革関連法案や産業競争力強化法等改正案、銀行法改正案について、法律案と併せて作成される要綱、新旧対照表および参照条文に多くの誤記が見つかったことに端を発した、いわゆる「法案ミス」問題。3法案1条約の12箇所で条文にも誤記が見つかるに至り、霞が関・永田町における静かな大問題となっている。ちなみに法文以外での誤記などがあったのは22法案122カ所である。これほどの法案ミスがなぜ起きたのか。元官僚である筆者が解説する。

菅首相の長男がらみの総務省旧郵政幹部不祥事は、テレビのワイドショーなどを見ていると、単なる「国家公務員の倫理の低下や倫理観の緩みの問題」として扱い、批判する傾向が強いようである。ではなぜ、官僚らが明らかに倫理法や倫理規程に反する行為をしたのかと考えると、そこに現在の政官関係の大きな問題点が見えてくる。

今国会は、相変わらず「新型コロナ対策国会」「野党によるスキャンダル追求国会」という様相で、そればかりがメディアに注目されている。しかし、その一方で、「コロナ禍」という惨事に便乗して、わが国の中小企業や社会・経済を大きく毀損するような法案が着々と準備され、順次国会に提出されている。

12月15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案。その中身をみれば、新型コロナ不況の対策には全くなっていないのは明らかだ。これらの問題点を指摘する。

菅内閣は経済・産業対策で中小企業再編策を着々と進めている。しかし、この内容をよくよく見れば、「再編」の名のもとに、中小企業を「淘汰」するもので、「中小企業つぶし」に他ならない。中小企業再編策の理由として「中小企業は過保護だ」とも言われているが、それは「根拠なきイメージ」に過ぎない。

先月末、新型コロナウイルスの社会経済への影響に対応するための自民党の提言、「新たな経済対策に向けた提言」が取りまとめられた。しかし、これらの内容は、コロナ禍不況への対応とは無関係な事項ばかりが並び、あまりにも緊張感がなく、お粗末すぎるものだ。

菅義偉首相は11月12日、バイデン次期大統領と電話会談を行い、「バイデン次期大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があった」とコメントしている。そもそも「5条」の意味するところは何か、それで尖閣が守られるのか。

日本学術会議の新たな会員のうち6人について、菅内閣が任命を拒否したことを巡って大きな騒動になっている。そもそも、この問題は、任命手続が関係法令に照らして適正なものであったのか。制度論や組織の在り方、特に政府との関係性の面から見て解説してみたい。

立憲民主党と国民民主党などが合流した野党勢力が代表選を実施した。代表として枝野幸男衆院議員を選出、党名は立憲民主党に決まった。世間から見れば、まったく新鮮味がなく、期待も注目度も極めて低い状況だが、特筆すべき点がある。それはかつて「消費増税・緊縮勢力」と考えられてきた立憲民主党が、合流新党結成と代表選を境に、少なくとも減税勢力へと転換を始めたということである。

安倍首相が辞任を表明した後、次期総裁選に向けた動きが活発化している。「ポスト安倍は誰か」ということばかりが注目されているが、本来は「この国のリーダーに求められているものは何か」「国や国民のためには何が必要か」という本筋の問題をもっと議論すべきである。

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの交通事業者の経営が悪化している。そんな中、JR東日本などが収益改善のため、時間帯によって運賃に差を設ける「時間帯別運賃」の導入を本格的に検討しているようである。しかし、この「時間帯別運賃」は単なる値上げに過ぎないし、そもそも鉄道をはじめ、交通事業者に対するわが国の認識が間違っている。
