通勤する上海市民たち中国では5月以降は、感染者数が大幅に減少したことから、多くの都市で活動制限の緩和が進み、景気下押し圧力は和らいでいる Photo:Future Publishing/gettyimages

4月まで軟調だった中国景気
活動制限が景気の重石に

 中国では、春先に新型コロナの感染者数が増加するなか、「ゼロコロナ」政策を取る政府が上海市をはじめ多くの都市で経済活動を厳しく制限した。この結果、1~3月期の実質GDPは、前期比年率+5.3%と前期の同+6.1%から鈍化した。

 その後、中国では、工場の操業停止や物流の停滞がさらに拡大し、4月の工業生産はオミクロン株の流行後、初めて前年割れとなった。4月の小売売上高も、外出制限により前年比二桁の減少となった。

 ゼロコロナ政策の負の影響は、中国だけでなく、サプライチェーンを通じて他国にも波及した。たとえば、中国の減産で自動車部品の輸出が滞ったため、多くの国の自動車メーカーが生産を停止した。

 しかし5月以降は、感染者数が大幅に減少したことから、多くの都市で活動制限の緩和が進み、景気下押し圧力は和らいでいる。