長井滋人
ワクチン普及に伴って、コロナ後の経済の姿を巡る議論が盛んになっている。特に懸念されているのは、コロナ禍の後遺症が設備投資の遅れや生産性の停滞を招くリスクだ。ただ、米国については、コロナ禍の後遺症は限定的で、過去10年間の平均で年0.5%を下回っていた生産性の伸びが今後5年は1%へ加速すると予測している。

米国の4月の消費者物価(CPI)は前年比4.2%と3月の2.6%から跳ね上がり、落ち着き始めていたインフレ論議に再び火をつけた。米国がインフレ・スパイラルに陥る可能性は小さく、次第に落ち着いていくとみられるが、今後のインフレ率の減速ペースは、極めて緩やかなものに止まるとみられる。最近のインフレ急騰が、本当に収束に向かうのかを判断するために、CPIを財やサービスといった品目別に分析し、今後の米インフレの行方とリスクを検討する。

5月6日のスコットランド議会選挙では、分離独立を志向する勢力が議席の過半数を制した。2014年の住民投票では、僅差で独立反対派が勝利したが、英国のEU離脱をきっかけに、親EU派の多いスコットランドで独立の機運が再び高まっている。スコットランドでの世論調査をみると、昨年は独立支持派が優勢であったが、最近では残留派が優勢を取り戻すなど、揺れ動いている。スコットランドの経済構造をマクロの視点から整理し、スコットランド独立の難しさを明快に解説する。

コロナ禍での米国主導の世界経済の成長期待に、拍車がかかっている。それに伴い、1970年代のような高金利、高インフレ時代へ逆戻りするのではないかという、懸念も出始めた。しかし、話はそれほど簡単ではない。世界経済は長期停滞する可能性のほうが高いのだ。

世界的に脱炭素に向けた流れが加速する中、企業が自らの事業でどれだけ温室効果ガスを排出し、削減に向けてどう取り組んでいるかについての説明責任が一段と求められる。

年明けから続いてきた米国長期金利の上昇だが、ここへ来て名目金利からインフレ期待を除いた実質金利が上昇に転じている。割高感が指摘されてきた米国株式市場は、戦々恐々だ。このまま実質金利が上昇を続けると、市場は本当に大きなショックに見舞われるのか。

市場関係者の中では、コロナ収束後にインフレが高まり、低インフレの時代に終わりが来ることを危惧する声が出ている。それが長期金利の大幅な上昇につながり、株価を含めて金融市場に大きな混乱を招くというのだ。果たしてそれは本当なのか、徹底検証する。

コロナ変異株の出現で目先の不透明性は引き続き高いが、ワクチン普及後には米欧でミニ消費ブームが起きる可能性が高まっている。

コロナ禍で世界経済の先行きを必要以上に不安視する必要はない。コロナショックによる落ち込みが小さく、その後の回復も早くて経済全体を牽引しているのが、製造業だ。日本の製造業は世界の潮流に乗り遅れることなく、景気回復に寄与できるのか。

12月の米国雇用統計で、雇用回復ペースが月を追って減速していることが確認された。これはコロナ禍の深刻さと特殊性を考えると驚くに値せず、米国経済の先行きへの過度の楽観を戒めるサインと見るべきだ。

コロナワクチン開発成功と米大統領選の結果を受けて、金融市場は一気にリフレ相場モードに入った。株高による資産効果や資金調達環境の改善などを通じて、経済が好循環に入ることが期待される一方、気になるのは米国と欧州における長期金利上昇の動きだ。

コロナ禍で資産運用にもニューノーマルの兆しが見える。投資家の間で、「先進国は安全で新興国は高リスク」という固定観念を見直す動きも出始めた。一段と長期停滞の様相を深める先進国中心の運用は、限界を迎えつつある。果たして新興国シフトは起きるのか。

韓国経済については財閥系のハイテク大企業の躍進に関するニュースが目立つが、経済全体を見ると近年はむしろ苦戦を続けている。

コロナ禍の収束が見えない中、各国の大規模な金融緩和の影響で、金融市場はバブル的な様相を呈し、世界的な金融危機発生への懸念も高まっている。特に気になるのが、割高感の際立つ米国株価の持続可能性だ。ハイテク株主導の米国市場に迫る「3つの試練」を考えよう。

1990年代以降の経済グローバル化の主役は、低賃金の豊富な労働力を目当てに先進国企業が進出して「世界の工場」となった中国だった。ただ、当初は他国で製造された中間財を組み立てた最終財の輸出に終始したため、輸出額の大きさの割に中国自身の儲けは少なかった。

新型コロナとの闘いの最前線は、先進国から新興市場国や発展途上国へ移ってきた。保健衛生体制の未整備などからコロナ感染で死亡者が増えやすいことも心配だが、ロックダウンによる経済活動急停止のダメージも間接的に人の命を脅かす。

新型コロナウイルス感染症による減収家計や中小企業への給付金支給が遅いことへの批判に際し、迅速さの点でよく引き合いに出されるのがドイツなど欧州各国の対応だ。

新型コロナウイルスの感染拡大で動揺する世界経済に追い打ちを掛けたのが原油相場の急落だ。3月9日のブレント先物価格は一時最大31%も下落、1バレル=31ドルの安値を付けた。湾岸戦争以来の落ち幅だ。

米国で広がる都市間の成長力格差、成長政策を巡る競争が鍵
トランプ米政権の経済政策への賛否のバラツキが示すように、米国は地域によって経済構造や産業構成が大きく異なる。米国への投資に際しても国ベースだけでなく、都市圏別の成長予測の視点が重要だ。

成長が減速しても海外旅行者数の増加が最も期待できる中国
2020年にインバウンド観光客4000万人という政府目標を達成できるかどうかは微妙なところだ。オリンピック・パラリンピックの年には通常の観光客が敬遠する傾向もあり、あと一工夫が求められる。
