2021.6.7 コロナ禍で失業率が上がらない理由 労働市場は常に動いている。多くの人が今の職を離れ、多くの人が新しい職に就いている。労働市場における人の流れを把握するために、厚生労働省は年に2回、全国の事業所を対象に雇用動向調査を行っている。この調査からある年の年初の労働者数とそ…
2021.4.26 都市と地方に差はあるが、最低賃金の全国統一は本当に必要なのか? 同じ国内であっても都市と地方の賃金格差は大きい。この賃金格差を縮小するために、現在は都道府県別に設定されている最低賃金を全国で統一しようという主張がある。現在の最低賃金は、秋田県・鳥取県・島根県・高知県・佐賀県・大分県・沖縄県の79…
2021.1.4 コロナ禍の影響は多様、真の雇用情勢を炙り出せる統計データ整備を急げ 新型コロナウイルスへの感染が都市部を中心に広がっている。新規感染者は首都圏、大阪圏、名古屋圏といった都市部に集中している。結果として、人の移動の減少も都市部に集中している。米グーグルのコミュニティー・モビリティ・レポートによると、…
2020.8.31 コロナ禍の政府の雇用対策効果の大きさを吟味せよ 新型コロナウイルス感染拡大の第2波により、経済活動の停滞が余儀なくされる状況が続いている。雇用への影響も大いに心配されるところだが、8月21日の執筆時点で最新の数字である6月の完全失業率は2.8%と、1月の2.4%に比べてもそれほど拡大してい…
2020.6.22 コロナ禍で迫り来る本格的な雇用調整、的を絞った直接的支援拡充を コロナ禍で経済活動が収縮し、労働統計にもその影響が明確に表れるようになった。4月の労働力調査によると、失業率こそ2.6%でコロナ禍の影響が出る前の1月の2.4%から微増にとどまっているが、仕事を持っているものの仕事をしていない休業者が597…
2020.2.25 時間外労働の上限規制は、働き過ぎの抑制に効果があったのか? 働き方改革の一環として2019年4月から時間外労働の上限規制が施行された(中小企業は20年4月から)。これによって時間外労働は原則として月45時間、年360時間を超えることができなくなった。
2019.12.2 日本の社会経済政策を劇的に変える「国勢調査パネル化」 5年に1度、0と5が付く年に日本国内に常住している人全てを対象に国勢調査が行われる。全員が調査対象となっている特性を生かして2005年、10年、15年の国勢調査を接続しようという取り組みが、アリゾナ大学・東京大学の市村英彦教授、東京大学の深井…
2019.10.1 高校無償化制度のスタートから約10年、政策効果の測定を 2010年度に始まった高校無償化制度。所得制限が設けられるようになったりといった制度の変更も行われたものの、作られてからおよそ10年がたつ。
2019.7.8 「2000万円必要」試算で問われるデータ分析法平均値以外も検討を 金融庁の金融審議会の報告書「高齢社会における資産形成・管理」が、引退に当たって2000万円の金融資産が必要と試算した。2014年の全国消費実態調査より、高齢無職世帯の平均月間収入と平均月間支出の差額である5万円を基に、これが金融資産の取り…