東京23区における在宅勤務実施率

東京23区における在宅勤務実施率出所:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

 コロナ禍の中で私たちの働き方も大きく変わりつつある。最も大きな変化は在宅勤務の普及であろう。内閣府の調査によるとコロナ前の2019年12月時点で、東京23区での在宅勤務実施率は約18%であったが、21年4~5月には約54%まで増えている。このように全体で見ると増えている在宅勤務であるが、その普及には産業ごとの温度差があり、情報通信産業、金融・保険・不動産産業、対企業向けサービス産業など、顧客と直接接触する必要性の低い産業での普及が著しい。

 いったん広がった在宅勤務が、コロナ禍が一定の収束を見せた後も定着するかどうかに注目は集まっているが、定着するという見方が有力である。これはZoomなどのビデオ会議システムやSlackなどのビジネスチャットを多くの人が使い始めたからである。これらのコミュニケーションツールは、周りの人が使うようにならないと便利なツールとはならないが、コロナ禍で一気に普及したため、在宅勤務をしながらスムーズなコミュニケーションを取れる基盤が整ったのである。