本間隆行
原油先物価格が急落し、ひどいマイナス価格を記録したことは、広く人々の関心を集めることになった。コモディティは株式とは異なり、その価値がゼロにはなることはないという常識が崩れてしまったのだ。投資家はこれから、どんな指針や知見を持てばいいのか

原油相場の膠着状態が続いている。9月14日にサウジアラビア国内にある石油生産施設が攻撃・破壊された際も、原油相場は上昇したが、一時的な上昇に留まり、足もとでは事件発生前の水準を割り込んでいる。膠着の背景には、どんな構造要因があるのだろうか。

原油価格は持合の形成に入っており、トレンドが現れにくい煮詰まった状況が続いている。足もとでは、産油国の減産、米国のイランへの経済制裁、ホルムズ海峡での緊張など、原油価格を押し上げる要因には事欠かない。にもかかわらず、なぜ相場は膠着を続けるのか。
