ここまで約25年間にわたって300社以上の人事制度の設計・運用や採用、教育研修に携わる中で、ある発見をしました。それは、世界的な規模の大企業であっても、社員数名のベンチャー企業であっても、またいかなる業界や職種であっても、運用されている人事制度の根幹にあるものの原型は、実は「ほぼ同じ形」をしているのです。

 新人、チーフ、課長、部長など、キャリアや職位に応じて会社が社員に求めていることは、ほぼ一緒。つまり、明確に「見える化」されていないだけで、どの企業にも通用する普遍的な「評価基準」というものが、実は存在しているのです。

賞与の額を上げるために知るべき
普遍的な評価基準「コンピテンシー」とは?

 一般的に、それぞれの職位や等級に対して「会社が求めていること」には、明確な違いがあります。たとえば、課長クラスや部長クラスには、ともにマネジメント力が求められますが、課長と部長では求められるマネジメント力の“具体的内容”がかなり異なります。「コンピテンシー」とは、この“具体的内容”を示すものです。

 たとえば、課長クラスに求められる「コンピテンシー」の1つは「目標達成」。これは、部長から与えられた組織やプロジェクトの目標を達成することにこだわり、諦めず、あらゆる可能性を追求し、手段を尽くすことです。

 しかし、部長クラスに求められる「コンピテンシー」は、課長クラスより難易度が高い「目標設定」や「戦略策定」に変わります。3年~5年先を見据えた中長期的な視野を持ち、多角的な視点を用いて会社や部門が目指すべき目標や戦略を明示する。部長クラスには、こうしたより高度なマネジメント力が求められています。

 新人クラスには新人クラスの、チーフクラスにはチーフクラスの、それぞれの職位や等級に応じた「コンピテンシー」があります。ただし、会社が各ポジションに求めている「成果につながる行動」や「活躍する人に特徴的な行動や考え方」、つまり「評価基準」はどの会社でもほぼ一緒なのです。