超一流になるために知っておきたい
「1万時間の法則」
(Kisou Kubota)京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。著書に、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数
算数脳を鍛えるには、ゲームが役立ちます。
ただ、なにも、コンピュータゲームである必要はありません。
ゲームには、囲碁、将棋、チェスなどから、楽器をひく、作詞・作曲などの芸術まで幅広くありますが、その道の超一流になるには1万時間必要だという見解があります(アンダース・エリクソンの10年または1万時間規則 the 10-year or 10,000-h rule; Ericsson, 2008)。
フロリダ大学のアンダース・エリクソン教授は音楽、作曲、芸術、スポーツや科学の分野での超一流の人の運動反応時間を調べ、10年または1万時間規則説を立てています。
また、超一流の人が肉体的、精神的訓練をしたとき、脳のどこが働くのかが最近研究され、前頭前野と運動前野の働きが高くなるというメタアナリシスの報告がされました(Front. Hum. Neurosci., 06 May 2014 | doi: 10.3389/fnhum.2014.00280 )。
一流の人の体と脳(Experts bodies, experts minds)や、肉体的・精神的な訓練が脳をどのようにつくるのか(How physical and mental training shape the brain. Ursula Debarnotら)については、超一流になるには、どの分野でも1万時間または10年間(1日3時間使うとして)ほど努力すればなれると考えられています。
オリンピックでメタルを取りたい人は、1日3時間で10年間、得意な分野をとことん練習してみるといいのです。
ただ、その理屈でいくと、今から始めた人は、東京オリンピックはもう間に合わないので、その次を狙うのがいいかもしれません(笑)。