今年の大卒内定卒は57.6%。就職氷河期を下回る最低水準だったそうです。グローバル経済の下、日本企業の競争力が相対的に低下しているなか、企業の総合職で働くことも狭き門になりつつあります。
そんな時代だからこそ、サラリーマンとして働くことだけが選択肢ではない。世の中にあるいろいろな仕事の実態を浮き彫りにしたのがこの特集です。総力62ページにも及ぶ特集は、弁護士などのいわゆるサムライ業から、介護士や予備校教師、職人まで幅広い職業を紹介しています。
パート1では、弁護士や公認会計士などのサムライ業を検証。熾烈な競争実態をレポートしています。
パート2では、職業選びの参考になるように、自分の興味のある分野ごとに、気になる年収や資格、実際に働いている人の声などをまとめ、わかりやすい読み物になっています。知られていない働き方――、たとえば救急隊員は「1日働き2日休む」という勤務体制で、実は一般のサラリーマンより休みが多い。そのため、趣味を楽しみたい人にはピッタリなのだとか。
パート3では、公務員について大きく採り上げました。昔から「給料は安いけど雇用は安定している」と言われてきましたが、実のところ、「給料まで高い!」のです。内閣総理大臣の推定年収3981万円を筆頭に、高級官僚は民間企業の重役クラス級。国家公務員の一般職や高校教員でさえも、上場会社のサラリーマンの平均年収を上回っているのです。
パート4では資格を紹介。スキルアップや転職、起業に有利な資格は何か。分野別に、取得がやさしいものから難しいものまで紹介しています。514もの資格を持つ“平成の資格王”厳選の資格案内も参考になることでしょう。
定年退職後の仕事探しについても、まとめてみました。仕事の探し方からNPO法人の立ち上げ方などは、年齢を問わず、40代、50代から知っておいて損はないでしょう。
高校生や大学生の子どもさんをもつ親御さんはもちろん、「自分探し」をしている人たちにはぜひ読んでいただきたいと思います。スキルアップを考えている人や定年後の生活にも、参考になるはず。
なりたいものとなれるものが違うのも事実ですが、「自分のこういう性格はこういう仕事に向いている」といった新たな可能性を探すガイドになれば幸いです。ぜひ手にとってご覧ください。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 大坪稚子)