──昨年10月、経営難に陥った米シティグループによる売却を経て、三井住友銀行の傘下に入ってから1年がたった。ようやく落ち着いたかたちだが、何が変わったのか。
いちばん変わったのは、顧客からの信頼感だ。銀行の後ろ楯があればこそ安心して付き合ってもらえるし、社員たちも落ち着いて働けるようになった。当社自身の格付けも上がった。
とはいえ、銀行の傘下に入ったからといって、これまでまったく付き合いのなかった企業の証券主幹事をそう簡単に獲得できるわけではない。今は三井住友の協力を得ながら、国内の顧客にサービスを提供するうえで足りない機能を揃えていく段階だ。
──今年10月から、ロンドンにおけるビジネスを再開した。
最も欠けているのは海外における業務だ。ここに関しては、引き続きシティとの戦略的提携も図っている。4年間の期限付きだが、これは三井住友を含めた3者間で協議したうえで、更新する可能性は十分にある。
ただ、自前で提供できるサービスの向上にも努めなければ、この提携自体がレベルの低いものになる。そこで手始めに三井住友の連結子会社である英SMBCキャピタル・マーケットと業務協働契約を締結し、債券の引き受けや日本株の売買仲介(ブローカレッジ業務)を再開した。