プレイングマネジャーのスケジュールには
「余白」が必要

田島弓子(たじま・ゆみこ)
ブラマンテ株式会社代表取締役。IT業界専門の展示会主催会社などにてマーケティングマネジャーを務めた後、1999年にマイクロソフト日本法人に転職。当時、営業・マーケティング部門では数少ない女性の営業部長を務める。約8年間の在籍中、個人および自身が部長を務めた営業グループでプレジデント・アワードを2回受賞。2007年キャリアおよびコミュニケーション支援に関する事業を行うブラマンテ株式会社を設立。
著書に『プレイングマネジャーの教科書』『女子社員マネジメントの教科書』(ダイヤモンド社)、『「頑張ってるのに報われない」と思ったら読む本』(WAVE出版)などがある

 1の「予定は30分刻みできっちり管理」について。
 スマホやパソコンなどを使ってデジタルでスケジュール管理している人、紙の手帳でアナログ管理をしている人、いずれにしても、このように「予定をびっしり埋める」ことをポリシーとして仕事を進めている人も多いと思います。
 たしかに、プレイヤー時代は、手帳に予定をびっしり埋め尽くして、手際よく仕事を進めていたかもしれません。しかし、マネジャーはそれではNGです。

 突発的な事項に対応する、部下からの急ぎの相談に対応する。こうした「予測不能な仕事」こそ、重要な仕事です。そうなると、当然、手帳にはある程度の「余白」つまり余裕が必要になります。

 たとえば「週」単位であれば金曜の夕方や月曜の午前中、「月」単であれば25日~月末まで、といった具合に、突発事項が起こりやすいタイミングというのは、ある程度予測ができるはずです。そうした「何かが起こりそうな時間帯」を「あえて空けておく(ないしは予定変更可能な予定を入れておく)」ことも、プレイングマネジャーにとっては大事な仕事なのです。

 部下や上司に振り回され、トラブル対応に追われてヘトヘト。毎日リスケの連続で、膨大な仕事を抱えているのに、ちっとも前に進まない。このような悩みを抱えるプレイングマネジャーも多いと思います。

 ですが、あらかじめ「余白」をとっておくことで、結果として効率的にスケジュールを回すことができる。振り回されていると感じる仕事も、ある程度予測して、事前に手を打っておけば、ストレスも軽減します。備えあれば憂いなし。それが「余白」を作るということです。