メインの仕事「以外」を見つける努力
御立 でも山梨さんも、人生を楽しむために仕事の時間を異常に使うのは嫌だと、どこか思ってらっしゃいません?
山梨 それはありますね(笑)。ただ私は、「ワークライフバランス」って言葉は嫌いですけどね。
御立 私も大嫌いです(笑)。だってワークとライフは入れ子構造になってるのに、おかしいですよね。
山梨 ワークライフバランスが後編のテーマの入り口になるんですけど、努力だけじゃなく、働き方もそろそろ次のバージョンに移っていかなきゃいけないのかな、と思っていまして。
その一つが、先ほどおっしゃられた「兼職」になると思うんです。その兼ねる職のほうは、必ずしもお金をもらう仕事じゃなくてもいい。ただし仕事と同じぐらい本気で継続的にコミットする。それは勉強かもしれないし、趣味かもしれないし、社会活動かもしれないけど、そういうものを持っていることはとても大事だなと感じているんですよ。
御立 そうですね。実際、山梨さんは東北の支援をやっておられるし、私も国連WFP(世界食糧計画)でアフリカの飢餓撲滅活動をやっています。こういう活動が自分を豊かにしてくれている部分ってすごくありますよね。
山梨 絶対にあります。仕事では経験できない場面だったり、出会えない人だったりと、自分の中の多様性を広げてくれます。そしてそこで得たヒントを仕事で使うなど、それがまた仕事に戻ってきますからね。
御立 ワークとライフはバランスじゃなくて、ほとんど一体化しているんですよね。
山梨 そしてそのどちらも楽しんでいることが大事なんでしょうね。これからはそういう生活をしていくというのが、次のバージョンの「いい努力」なんじゃないかと思うんですよね。