個人消費が伸び悩むなか、インターネットを使った取引は着実に拡大している。企業にとっての成長のカギを握るのは、インターネット上の見込み客を取り込むこと。Yahoo!リスティング広告もそんな手法の一つ。検索連動型広告「スポンサードサーチ」を使った顧客獲得の事例を紹介する。
経済産業省が2010年7月に発表した電子商取引に関する市場調査によると、09年の個人向けEC市場の規模は6・7兆円で、対前年比約10%増。インターネットを介した購買が消費者に着実に浸透していることがわかる。この動きをビジネスに役立てるには、いかにして自社サイトと顧客をつなぐかが重要になる。
たとえば、Yahoo! JAPANが提供するYahoo!リスティング広告の一つ、「スポンサードサーチ(検索連動型広告)」で、直接顧客をサイトへとつなぐ仕掛けが有効な手段といえる。
関心度の高いユーザーを
ダイレクトに集客
スポンサードサーチは、Yahoo! JAPANをはじめとする国内主要提携サイトの検索結果に、検索したキーワードと関連性の高い広告を表示するサービス(※1)。たとえば「花 贈り物」と検索すると、検索結果画面にフラワーショップなどの広告が表示され、クリックすると広告主のサイトへと飛ぶ。キーワードに関心の高いユーザーだけをターゲットにできるので、効率よく集客できる。
特殊な処理によって美しい姿を長期保存できる「プリザーブドフラワー」を販売するパレックスジャポン。同社はネットショップ開設当初、テレビなどへ広告予算を使っていたが、売り上げになかなか結び付いていないこともあり、新たな手段を検討していた。そこでスポンサードサーチにたどり着いた。
「当初、平均アクセスは1日約100件、売り上げも月間50万円ほどでしたが、スポンサードサーチ導入後は、アクセス数は1・7倍、売り上げは3倍にふくらみました。費用対効果の高さを実感しました」と、パレックスジャポン・芹沢英昭・代表取締役は語る。
スポンサードサーチの大きな特長は、クリックされて初めて課金される「クリック課金制」。広告の表示回数には関係なく、クリック数を基にサービスの支払料金が決まる。また、予算を設定できるので、効率的に運用できることが大きなポイント。
同社では、スポンサードサーチ導入後に予想外の効果もあった。メールでの注文だけでなく、電話での問い合わせや詳細な注文が多く寄せられるようになったのだ。結果、一度に大量の商品を購入する大口の取引が増加した。スポンサードサーチが企業と消費者とをダイレクトにつなぐ役割を果たしたといえるだろう。