正社員からフリーまで
「働き方の多様化」に対応が必要
「そんなの企業が人材を使い捨てる言い訳にすぎないだろう!」
――今回は、もしかするとそんな拒絶反応が出てしまう方もいらっしゃるかもしれないお話です。
正社員、契約社員、パートタイマー、フレキシブル制度、時短勤務、在宅勤務、フリーランスなど、いま日本でも、働き方の多様化が急速に進んでおり、企業はこうした多様な働き方に対応できる制度や環境を整える必要性に迫られています。
「迫られている」というと、追い立てられているように聞こえますが、経営者目線で言うと、これは大きなチャンスでもあります。これまでは制度が整備されておらず、泣く泣く退職するしかなかった有能な女性、定年退職を迎えたもののまだまだ気力も体力も知識も衰え知らずのシニア世代、両親の介護のために働き方を変えざるを得なかった現役世代の男性など、日本にはまだまだ隠れた逸材がたくさん潜んでいるのです。
多様な働き方に対応できる制度や環境を整備することにより、こうした逸材を活用できるチャンスがさらに広がると考えるとワクワクしてきます。
◆正社員以外の従業員を活用する理由別事業所割合(上位5位を抜粋)
もちろん、そのための準備は簡単ではありません。データ管理をクラウドに移行したり、新しい人事管理システムを導入したり、セキュリティを強化したり、さらには評価制度も変えていく必要があります。
これまで当たり前であった勤務時間や勤務日数という分かりやすい数値で人事評価をすることが難しくなり、成果主義を取り入れる企業も増えてきているようです。
成果主義は一見公正なようにも思えますが、人事や総務など貢献度を数値化するのが難しい仕事もあったり、厳密な評価基準がなければ私心が入り不公平なものになってしまったり、など導入は一筋縄ではいきません(私は人事評価の専門家ではないので仕組みについての詳しい話はここでは割愛します)。