――誰でも、どこからでも?

ミニクラについて説明する柴田さん

「はい。トランクルームを利用する場合、通常は場所の制約がありますよね。私たちはその制約をなくすために、クラウド上に倉庫を設置し、自宅から一歩も出ずに預け入れができるサービスを構築しました」

 例えば、季節外れの洋服をミニクラに預けたいとしよう。その場合、ミニクラのサイトにアクセスし、まずはユーザー登録を済ませる。登録後、預けるモノの種類や大きさ、量によって「レギュラーボックス」「アパレルボックス」「ブックボックス」の3種類から、必要な箱と個数を選ぶ。ボックスの代金は一箱250円で、月額保管料は1箱あたり250円と手頃だ。

 申し込むと購入した箱が自宅に送られてくるので、そこに預けたい品物を自分で詰め込む。

「宅配を通じてそれを送っていただくと、私共のスタッフがお預かりした品物をひとつずつ写真に撮らせていただいてから、保管します。そうすると、自分の預けたものを忘れることなく、PCやスマホからでもいつでも確認できるんです」

 重さは1箱あたり20キログラムで、撮影のカットも30点までという制約はあるものの、それで足りなければ箱を追加すればいい。預けた品物の中から1点だけ取り出したいなどの場合も、1点あたり800円で取り出し、宅配してくれる。ちなみに、月額200円の撮影なしバージョンもある。

 ミニクラがそれまでのワインやアートを預かる事業と違っているのは、扱うモノが市場価値の高いものというよりは、個人的な思い入れの強い商品である点だ。利用者が預けている品物は様々で、他人にとっては「ガラクタ」でも、預けた本人にとっては「宝物」というケースも多い。

リスクを冒して他社がやらないことをやる

 再び、月森さんに向かって尋ねる。

――たしかに、ありそうでなかったサービスですね。

「個人の荷物をお預かりするというのは、倉庫会社にとってはかなり抵抗感のあることなんです。事業会社さん向けのサービスであれば、流通加工と言いまして、送られてきた箱の中身を開けて、個々の商品にラベルを貼ってというような作業はしています。ただ、個人からお預かりした商品に対して同じ作業をするのは、けっこうリスクがあって怖い。というのも、工場から送られてくる部品であれば極端な話、弁償してしまえばそれで済みますが、個人から預かった思い入れの強い商品だとそうはいきませんから」

 むろん、社内でも喧々囂々の議論はあったという。最終的には「市場ニーズもありそうだし、チャレンジしてみよう」ということになり、事業がスタートした。現場のプレッシャーは相当なものがある。