介護保険に加入が義務づけられているのは40歳以上の人で、原則的に65歳以上で介護が必要になると利用できる。ただし、40~64歳でも、認知症や脳血管疾患など、加齢が原因で起こる病気で介護が必要になった場合は利用可能だ。

 制度開始から介護保険の利用者は年々増え続け、2012年度は458万人が介護サービスを利用。2015年度に要介護・要支援認定を受けた人は608万人で、65歳以上人口3384万人の2割にあたる。いまや介護保険は、暮らしを守るために、なくてはならない存在になっている。

 健康保険と同じ国の制度ではあるが、給付の仕組みは大きく異なる。いちばんの違いは、介護保険の給付には限度額が設けられていることだろう。

 医療は、病気やケガの治療に必要な医療がすべて保険給付で賄われる。診察や検査に始まり、手術、入院、薬剤などの治療材料にいたるまで、安全性と有効性が確認されたものはすべて保険給付の対象だ。

 治療に必要なものがすべて保険給付されるので、原則的に保険外の医療サービスの利用は認めておらず、併用した場合は本来なら健康保険が適用される治療に関しても全額自己負担になる。これが、いわゆる「混合診療の禁止」といわれるものだ。

要介護度に応じて給付範囲が
決まっている介護保険

 一方、介護保険は、1ヵ月に利用できるサービスの限度額が決められている。

 市区町村に介護保険の申請をすると、自宅などに調査員が来て、利用者本人や家族から日常生活で困っていること、心身の状態などを聞き取り、かかりつけ医などが医学的立場から意見書を作成する。

 この情報をもとに、地域の介護認定審査会で、7区分ある要介護度(要支援1~2、要介護1~5)のなかから、利用者の介護度を決定する。数字が大きいほど介護の必要な度合いが大きくなり、使えるサービスも増えていくが、いずれも介護保険で利用できる金額には上限がある。

 たとえば、要介護1は16万6920円だが、要介護5になると36万650円が限度額で、利用者は実際に使ったサービスの1割(高所得者は2割)を負担する。これが、介護保険を利用してサービスを受けるときの流れだ。

既に認められている混合介護
「規制」は最大の問題点か

 このように介護保険は、介護の必要度に応じて、あらかじめ給付範囲が決められている。そして、利用者全体の給付を賄うだけに見合った保険料を、国民から徴収するように設計されている。