「住まい」をさがすのに必ず目を通すのが、物件情報だ。しかしこの物件情報、新築と中古では形式がまったく異なるうえ、チェックするべき項目も違う。ここでは効率よく必要な情報を拾い出すノウハウを紹介しよう。

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新築物件情報の見極め方

 間取り、価格、物件概要が全面に出る中古物件広告に対し、新築物件は、外観イメージやパースを見せるイメージ広告の要素が多い。そこから本当に自分が欲しい物件を選択するのは至難のワザだ。まず新築の場合、情報のどこをチェックすればよいのか、ポイントをまとめてみよう。

広告が出ていても
申し込みできないものも

 「契約や予約の申し込みおよび、申し込みの順位の確保につながる行為はいっさいできません」と書かれた不動産広告を、見かけることがある。

 広告は、販売促進の手段のはずだが、なぜこのような種類の広告が存在するのだろうか。

 それは、不動産広告が、不動産公正取引協議会が定めたルール(表示規約)に従って作成されているため。誇大広告や虚偽広告を禁止し、業者間の公正な競争を確保するため、必要表示事項は、業者に不利な内容であっても必ず記載しなければならないのだ。買い手が最も知りたい情報の一つである「価格」も必要表示事項だ。

 土地の仕入れから建物の完成まで時間がかかる新築の場合、設定価格や販売戸数は相場の変動も考慮に入れ、かなりあとに決定される。しかし、戸数が多い大型マンションで、価格が決まるまで広告を打てないとなると、告知期間が短くなり、売れ残るリスクにつながってしまう。

 そこで先のように、例外的に価格や販売戸数を表示しない広告「予告広告」が認められた。ただ、これを無条件に許すと、必要表示事項を定めた意味がなくなってしまうため、予告広告であることの明記、本広告前の販売の禁止という制約が設けられている。広告に、申し込みが可能な本広告と、そうではない予告広告の2種類があることは知っていて損はない。

 予告広告は、消費者にもメリットがないわけではない。発売開始予定を含め、価格や販売戸数以外の情報を販売開始前にじっくりとチェックでき、販売開始早々に申し込みできるからだ。

 必要表示事項は、物件概要欄に細かな文字で書かれているだけのものが多い。つい読み飛ばしてしまいがちだが、「プロが重要と認めた」情報。しかも、有名な「徒歩1分=80㍍」のような統一ルールで記載されているため、客観的に比較しやすい。しっかりチェックすることが、後悔しない住宅購入につながるので、最低限の知識は身につけておきたい。