傾向を見ると、「いる」と答えた割合が最も多かったのは30代(40人)と40代(31人)で、2つの世代を合わせて全体の36%を占めた。会社の中核を担うベテラン社員が電話マナーを厳しく見つめている対象は、主に20代の若手社員と思われる。また、「いる」と答えた人の男女比を見ると、男性が女性の1.7倍(60人)いた。男性のほうが女性よりも社会性が強いためだろうか、周囲の電話対応が気になる人が多いようだ。

電話で最も目につく課題は
コミュニケーションスキル

 では、回答者は周囲の電話対応にどんな課題を感じているのだろうか。前述の質問に対して「いる」と回答した人を対象に、「具体的にその人の電話対応のどんなところが『適切でない』と感じますか」(複数回答可)という質問を投げかけてみた。結果は上の表の通りとなった(総回答数223に対する割合)。

 突出して多く選ばれたのは、「自分の電話や周囲の電話のベルが鳴り続けても出ようとしない、もしくは素早く出ようとしない」(22.4%)、「正しい言葉づかいや敬語を使えていない」(20.2%)という選択肢だった。次に多かったのが、「話すときの声のトーンが暗い、もしくは感じが悪い」(12.6%)というもの。

「電話に出るときに、会社名や自分の名前をきちんと名乗らない」(6.7%)、「話すときの声が小さい、もしくは発音が不明瞭である」(6.3%)、「他人あての電話を受けた後に、伝言メモを残していない」(6.3%)、「他人あての電話を受けた際に、うまく電話を転送することができない」(4.9%)という選択肢も、一定割合選ばれた。

 この結果を見ると、言葉づかい、声のトーン、発音といった「受け答え能力」に課題を感じている人が多いことがわかる。伝言メモ、他人への転送など、「手続き能力」に関する課題も少なくない。前者は電話口の取引先や消費者、後者は職場の社員の心象に与える影響が大きいことから、電話対応において最も大きな課題と見られているのはコミュニケーションのノウハウと言えそうだ。

 傾向を性別で見ると、男性が最も気になるのは「電話が鳴っても出ないこと」(男性回答者の28%)、女性が最も気になるのは「正しい言葉遣いや敬語ができないこと」(女性回答者の23%)と言える。女性社員は、職場で電話を取り次ぐ立場の人が多いと思われることから、「受け答え」のスキルが低い社員をとりわけシビアに見ているのかもしれない。ここに難がある社員は、それだけで周囲からの評価が何割か下がってしまうと言える。

 自分の印象が悪くなるばかりか、電話対応は時として業務上のトラブルにつながることもあるから、油断できない。電話対応のマズさが原因で深刻なトラブルが起きたケースを見てみよう。アンケート参加者に対して、「あなたは電話対応が原因で、仕事上のトラブルになった経験がありますか。また、そういう人を見たことがありますか」と問いかけ、具体的なエピソードを挙げてもらった。回答結果をパターン別に分け、生々しい実態を紹介したい(回答は原文ママ)。