つまり、寄付先を選ぶ、ボランティアする団体を選ぶという行為は、論理的にも感覚的にも「自分を知る」という行為でもある。それはつまり、「自分の人生のミッションを知る」ということであり、「何のために学び、何のために働くのか」ということを突き詰める行為なのである。当たり前の話だが、自分のミッションに気づき、それを果たそうとする人間のほうが、勉強でも仕事でもモチベーションも生産性も高い。まさに、「情けは人のためならず」である。

 このようなミッションオリエンテッドな教育を、学校でも社会でも行なっていくべきだ。日本が「失われた20年」といわれ、経済的にもどんどん衰退してしまった最大の理由は、「国民的なミッション」というものが失われてしまったからだ。戦後日本が奇跡的な経済成長を成し遂げたのも、戦後復興という国民的ミッションがあったからだし、僕が子どもの頃でも、教師からは「日本は資源のない貧しい国だから、懸命に勉強して働かなければ食っていけない」と毎日のように教育されていた。つまり、「貿易立国で食っていく」という国民的ミッションがあった。しかしいまは、そのようなミッションはない。

 「もう、そういう時代ではない」と思う人もいるだろう。また、国民的ミッションというと、なにやら右翼的なイメージを持つ人もいるだろう。もちろん、国民的ミッションも方向性を間違えると、欧米各国で吹き荒れているような、排他的・ナショナリズム的な動きになる。しかし、だからこそ、「社会貢献」なのである。社会貢献というパースペクティブのなかで、国民的ミッションを見いだし、自分自身のミッションを見いだす。それが、経済も含めた「社会の成長」につながる。寄付やボランティアは、そのミッションを見つけるための最初の一歩であり、そこにいたる道程なのである。冒頭に紹介した「寄付月間」のいまだからこそ、考えるべき本質はそこにある。


【筆者からのお知らせ】
世界中で大流行している「マネキンチャレンジ」に、僕がプロデュースする女性支援団体「Girl Power」も挑戦しました(以下、動画参照)。「女子たちのパーティー舞台裏」をコンセプトに、控え室で女性たちがドレスを着込んだり、お化粧をしたり、ビデオインタビューを受けたり、ボーイフレンドとケンカしたりと、パーティー前の慌ただしい緊張感と高揚感を表現しています。

世界の一流サッカーチームから、ポール・マッカートニーなどのポップスター、ヒラリー・クリントンまで、さまざまなセレブも挑戦している「マネキンチャレンジ」ですが、「Girl Power」の動画も、他に類を見ない楽しい作品に仕上がったかと思います。ちなみにこの動画は、インドの少女に対する衛生教育と生理用パッドの提供を行なう「Happy Pad Project」への募金活動の一環として制作しました。ぜひご覧ください。

*動画はこちら>> Girl Powerウェブサイト「マネキンチャレンジ」