2017年は不確実な年
きりがないイベントリスク

 2017年は、不確実な年に見える。トランプ大統領が就任し、本格的に政権運営を始める。そこで何が飛び出してくるかは、想像できないところがある。

 先進各国は選挙イヤーで、フランス大統領選挙、ドイツ連邦議会選挙がある。イギリスは、EU離脱交渉をいよいよ具体的に始める。中国では、政局的常務委員、いわゆるチャイナセブンのうち5人が交代する。残る習近平主席と李克強首相のパワーバランスがどう変化するかが注目である。

 イベントリスクを挙げると、きりがないというのが2017年を臨む現在の状況である。ならば、実体経済を巡る変化を見通す方がより不確実性は低いと思える。以下では、現在から見通すことのできる経済の変化について、これが2017年のチャンスになりそうだと思える点を中心に考えてみたい。

2013年とよく似ている経済状況
今度こそ空振りしてはならない

 トランプ氏が11月9日に大統領選挙で勝利してから、米株価を中心に急上昇が始まった。トランプ相場である。わが国には、円安・株高の追い風となっている。米経済も好転しているから、この追い風は単にマインド変化によるものではなく、実体経済の好転を伴うものである。

 これらの様子は、2013年と非常によく似ている。あのときは、2012年末に日本で政権交代が起こって、安倍政権が誕生した。それからアベノミクス相場が始まる。現在は、場所を替えて、米国の政権交代が相場変動の起点になっている。

 2013年の日本経済は、数年に1度しか訪れないチャンスを手にした年であった。デフレ脱却、雇用正常化の大チャンスだった。実は、2017年もあのときと同じように、数年に1度のチャンスになるのではないか。だから、今度こそ空振りしてはならない。