歌舞伎はあくまで“遊び”。「観劇」なんて肩肘を張らず、「見物」するもので、21時頃から始まるようなレイトショーがあるといい──という意見で一致しました

成毛 今回が連載の最終回なので、前向きな話をして終わりましょう。おくださんは、これからの歌舞伎にどんなことを期待していますか?

おくだ まず、第11回でお話ししたようにかっこいい隠居名を名乗り、親子2代、3代で舞台に立つ役者さんが増えるといいなと思っています。それからもうひとつは、レイトショーをやってほしいと期待しています。

なるけ・まこと
1955年北海道生まれ。中央大学商学部卒。マイクロソフト日本法人社長を経て、投資コンサルティング会社インスパイア取締役ファウンダー。書評サイト「HONZ」代表。『本棚にもルールがある』(ダイヤモンド社)『ビジネスマンへの歌舞伎案内』(NHK出版)『教養は「事典」で磨け』(光文社)など著書多数。
Photo by Kazutoshi Sumitomo

成毛 レイトショーですか。

おくだ 歌舞伎座の夜の部は16時30分からですが、ライブハウスもセカンドステージはかなり遅くに始まりますし、21時ごろ始まって、終電に間に合うように終わる回があってもいいように思います。

成毛 若手の役者さんや研修生に開かれた場となってもいいですね。

おくだ レイトショーを見て、それで「遅くまで遊んでしまった…」と少し後ろめたいような、多少の罪悪感を持って帰るのがいいと思うんです。

成毛 いいですねえ。

おくだ 夏などは、ぜひ深夜に怪談物を見たいです。

成毛 実にいい。場所は歌舞伎座に限定しなくてもいいかもしれませんね。