代替医療を行うなら
まずは担当医師に報告を!
東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医
ただし、がん治療を目的とした鍼灸には健康保険が適用されていません。また、漢方薬は、健康保険が適用されているものもありますが、健康保険が使えるか、使えないかは医療機関によって対応が異なります。もしも東洋医学での治療を希望する場合は、費用などもよく調べた上で利用しましょう。
できれば、具合が悪くなったときに西洋医学との連携がスムーズな、大学病院などの東洋医学外来を利用することを勧めます。
代替療法を使う前には、まずは主治医と相談をすること、そして参考にする場合には厚生労働省の研究班が作成した「がんの補完代替医療ガイドブック」(インターネットで公開され、誰でも見られます→http://www.jcam-net.jp/topics/guidebook.html)など信頼のできる情報を参考にしてみましょう。
たとえばセントジョンズワート(西洋オトギリソウ)というハーブは、がんにともなう、うつ症状に用いられることがありますが、ある種の抗がん剤の働きを弱めることが知られています。また、ビタミンC、ビタミンE、大豆イソフラボンなどのサプリメントは、血液が固まりにくくなる作用が認められています。
健康補助食品・サプリメントの利用に際して覚えておいてほしい点は、「天然物質、食品・食物だからといって、安全であることを意味しているわけではない」ということです。
それを利用すること自体、否定するものではありませんが、治療の妨げになることもあります。担当医に相談しないという患者さんは6割にも及ぶので、特にサプリメントなどを服用する場合には、必ず相談してください。
A 科学的に効果が認められたサプリメントなどはない。しかし、服用するなら必ず医師に相談を。