杉田 まったく違いますね。日系企業の場合は、今でも新卒重視ですし、最近では景気の揺り戻しもあってか、中途採用に積極的だった企業も新卒重視に戻りつつあるようです。ただ、新卒はいまだにリクルーターには出身大学の卒業生を選びがちなように、基本的には「自分たちと同じ人」を探しているような価値観が多いように感じます。

 外資系企業というよりマイクロソフトとしてですが、どちらかといえば「自分たちと違う人」を探して、ダイレクトに連れてくるというミッションを持っています。そのあたりも大きな違いでしょう。

 手法についても外資系でよく使われる私が直接声を掛けてもらったような「ダイレクト・リクルーティング」という手法では、最初から「会社の人間」がコンタクトをしますから、迷いなく口説きにくるというか、「会社のために少しでも優れた人材を採ろう」という明確な使命感がありますね。

マイクロソフトが「ラーニング」に重きを置く理由

多田 マイクロソフトに参画されて半年だと思いますが、マイクロソフトの企業としての強さの源泉はどこにあると見ていますか。

杉田 やはりこれだけの大きな企業で、どのような部門であっても社会に大きな影響を与えていますし、事業を通しての社会に対するインパクトの大きさを社員も非常に求めていると思います。

 個人のキャリア形成に対して意欲的な人も多く、社員それぞれに「こうなりたい」という理想があり、仕事でステップアップしたい、次のステージへ行きたい、という人にとっては、自分自身を成長させる「やりがい」が環境として整っている企業だと思います。

 それから、「社内ではラーニングと呼んでいる“新しい学び”のためには失敗しないといけない」というスタンスですから、失敗には寛容なところもあります。時間をかけて議論するよりも「とにかくやる」カルチャーなのも、すごくいいことだと感じます。

 最近のマイクロソフトのカルチャーを表す言葉は「ラーニング」なんです。パフォーマンスを上げる、変革をするだけでなく、とにかく新しいことを学んで、もっと成長しなくてはいけないと。個々人や組織が成長していってこそ、会社もビジネスも成長できるんだと。

 それはグローバルのCEOであるサティア・ナデラの考えも大きいです。「自分たちはお客さまのことをいっぱい学び、もっと成長しなきゃいけない」というグロースマインドセットをしっかり伝えています。彼の言葉や著書に書かれている内容が、自分の考えとフィットすると感じたという点も私がマイクロソフトに転職を決めた理由のひとつです。

多田 そうした企業文化があるから、自身を向上させたい、新しいことにチャレンジしたい人にとっては、素晴らしい環境である、と。

杉田 われわれのビジネスは、商品や自社サービスが先に来るのではなく、まずは顧客を理解し、ソリューションを提供できるかが大事になる。だからこそ「ラーニング」が重要になるし、そのために全部門を挙げて、「顧客に向き合い、一緒に話せる人、理解できる人」を採用しようとしているのです。

多田 事業の大戦略があり、そのために必要な風土、人のあり方を見つめ、欲しい人材像も明確になっていく。それがすべてつながっているのですね。貴重なお話、ありがとうございました。