嘘つきは誰なのか――連日注目を集めている森友学園問題だが、果たして心理学や脳科学の最新の知見から、人の嘘を見抜くことはできるのだろうか? 写真:つのだよしお/アフロ

 森友学園に関する問題が、官庁や政界を巻き込んで大きな話題となっている。

 もともと、学園の土地払い下げに対する首相の関与が話題になったのだが、そこから首相からの寄付の有無という問題に変わり、籠池氏の証人喚問のあと、安倍首相の昭恵夫人が口利きをしたのではないかという疑惑に変わり、さらには問題検証過程で民進党の辻本議員が妨害ないしは、やらせを行ったという疑惑も出ている。

 こうなってくると、もはや追及すべき問題の焦点がどこにあるのか、よくわからない。

 この問題が注目を集める理由は、確実に「誰かが嘘をついている」からだ。当事者の言っていることが食い違い、かつその当事者が公にそれを公表してしまっている。

 そして公に嘘を言うならば、その人物にはそこまでの嘘をつく「重大な理由」があるはずで、その重大な理由とは何か、が国民の興味の的になっているように思える。

 心理学では、古くから「嘘」の研究が行われてきた。研究テーマは大きくわけて2つ。「人はなぜ嘘をつくのか」と「嘘は見抜けるのか」というものだ。このうちとりわけ後者の「嘘は見抜けるか」は、研究者のみならず一般の人々にも大きな関心を持たれているトピックである。

 ネットで「嘘、見抜き」と検索すると、嘘の見抜き方についての記述が山ほどヒットする。その中の記述のほとんどは「嘘をつくときに、人はこんな特徴が出る」というものだ。

 アメリカの作家で、米国公認不正監査士の資格を持つパメラ・メイヤー氏は、嘘をつくときの人の特徴を、会話、表情やしぐさ、態度や行動の3つの側面から挙げている。