私たちの体の中には、「体内時計」と呼ばれる時間が備わっています。
この体内時計を動かす源にあるのが「時計遺伝子」(体内時計をつかさどる遺伝子群)で、私たち人間の体はこの遺伝子によって、目覚める、お腹が減る、眠くなる、などといった生きるための基本的なリズムを刻んでいます。人体の活動の多くは時計遺伝子によって支配されているといってもいいかもしれません。
この時計遺伝子の働きに基づいた時間医学、時間栄養学といった最新の科学的知見をベースにして、体内時計に従って日々、常に快適で効率よく過ごす秘訣を『最新の科学でわかった! 最強の24時間』(ダイヤモンド社)より抜粋して紹介します。
昼食後の眠気は
ウォーキングで活力アップ!
昼食後の眠気対策として、運動の効果も見逃せません。
ついお腹いっぱい食べてしまった場合、そのままデスクワークに臨んだら自然と眠くなっていきますが、15分ほどウォーキングをしたり、階段を昇り降りしたりするだけでも血糖値は下がり、グルコーススパイクを抑えやすくなります。
運動によって血糖値が下がるのは、筋肉の中にあるグルット4というタンパク質が活性化し、血液中の糖が細胞に取り込まれるからです。運動することで、糖を細胞に運搬するインスリンが効きやすくなるのです。
午後の時間帯は、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどの分泌もさかんになっているため、心身の活性度が高まり、運動にはとても適した時間帯です。そのピークである16~18時は運動効果を高めるゴールデンタイムでもあるのです。
昼食後に体を動かし、副交感神経から交感神経へとスイッチングすることも、もちろん活力アップにつながるでしょう。
ただ、ランチミーティングなどで食事中もずっと交感神経優位の戦闘モードが切り替えられない時は、むしろ食後に休む時間が必要です。その場合、ゆったり歩いて緊張をほぐした後、喫茶店や公園のベンチなどで10分だけでも目を閉じ、リラックスしてください。
自律神経を安定させるために、そのまま少しうたた寝するのもいいでしょう。