上司の側でも、若者に体力的な負荷を掛けることを「鍛える」ことだと勘違いしてはいけない。あなたが若かった頃とは、時代が違うのだ。今は、「能率の上げ方」を教えられない上司は、無能なのだと見なされる。

職場環境改善の相談には
内部の第三者が大事

 さて、転職を目指すにせよ、そうでないにせよ、あなたはしばらく現在お勤めの組織にいる。その環境を少しでも改善する努力には意味がある。

  まず、あなたは上司や周囲に対して遠慮しているのかも知れないし、弱点を見せるのが嫌なのかも知れないが、「SOS」を手遅れにならないうちに出しておく方が圧倒的にいい。

 たとえば、夜遅くに飲みに行かないかと上司に誘われた場合に、「すみません。今の私は体力的にいっぱいいっぱいなので、今日は遠慮します」とでも言ってみるといい。もちろん、「お話があります。実は身体がきつくて、限界のような感じがしています」と直接的に訴えるのも率直でいい。

 さて、仕事が当面の自分にとってキツ過ぎる場合、上司と率直に話ができるといいのだが、そうでない場合も多い。労働の時間と量に加えて、上司との人間関係の悪さがストレスを増している場合が少なくない。

 そうした場合に有効なのは、組織内の「直接の上司ではない先輩」に相談してみることだ。隣の部の部長さんとか、学校や趣味が同じ先輩社員とか、直接の上司以外の人とも話ができる関係を日頃から持つことは重要だ。今、持っていないなら、早速これから作るといい。たいていの人は、自分になついてくる後輩の話に耳を傾けてみよう、というくらいには暇なものだ。

 上司・部下の関係でない人は率直に話ができることが多いので、いいアドバイスを聞くことができる可能性が大きいし、先輩が、彼(彼女)の立場から上司に意見してくれる可能性がかなりある。大事な若手の部下が潰れそうだというのは、組織にとっても上司にとっても重要情報だ。

 また、仮に将来トラブルが発生した場合、その前の状況について知っている人が組織内にいることは重要だし、第三者が部下の窮状を知っていることは、上司に対する牽制の効果がある。

 ただし、直接の上司以外の誰かに、自分の疲れについて相談する際に、二つ注意すべき点がある。

 まず、直接の上司の批判や悪口を決して言わないことだ。そもそも、自分が聞いていない話を、組織内の別の人間から聞かされるという状況が、上司にとっては問題なのだ。これは、一般にマネジメント能力ないし人望の欠如と解される。「そう。あいつは、まさにそういう奴なのだ!」と思っていても、少し我慢しよう。「上司の〇〇さんのことは、尊敬しています」と嘘を述べるくらいでちょうどいいバランスだと心得られたい。

 自分が弱っている時に、上司と戦うのは下策だ。