あるベンチャー企業の会議用語「マクドナルドする」とは?

 私が社外取締役を務めるベンチャー企業の社長も、会議の場ではあえてツッコミどころのある意見を言うようにしているそうです。

 それを彼は、「マクドナルドする」と名付けていました。

 その社長いわく、彼の周囲にいる人たちは、「今日のランチはどの店に行こうか?」という質問にさえ、遠慮してなかなか意見を言わないことがあるそうです。

 そこで社長がわざと「じゃあ、マクドナルドにするか」と言うと、周囲はざわざわし始めます。そして「先日行ったイタリアンがおいしかったですよ」といった意見が出てくるそうです。

 社長の発言によって、他の人たちは「いやいや、どう考えてもマクドナルドよりはいい店を知っているぞ」と自信を持ち、発言するわけです。

 このようにチームで仕事をするときに、周囲がリスクを恐れてなかなか動き出さないときは、あえて「マクドナルドする」ことが効果的です。

 たとえあなたがリーダーや責任者でなくても、誰かが意見を出せばある種の基準ができます。そして他の人も、「この意見よりはいいと思えること」を口にしやすくなります。

 そうなれば、より多くのアイデアを試せるし、成功も失敗もたくさんできます。

 おそらく孫社長も、自分の立場がもし部下であったとしても、そんなことは気にせずにいいアイデアが出てくるように、「くだらないアイデア」を口にするはずです。