わずか三十数年で8兆円企業へと成長したソフトバンク。多くの企業が日本経済の停滞に苦しむなか、圧倒的な拡大を続けることができたのは、週間、月間ではなく、日次単位で改善する週間があったからだ。
ソフトバンクでは今も、6万人超の社員のこの資質が求められている。
孫社長自身も、これを実現するために、毎日あることをしていた。9年にわたり孫社長の右腕として活躍した元ソフトバンク社長室長・三木雄信氏の発売1ヵ月半で5万部を突破したベストセラー『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』から一部抜粋して紹介する。

「月末」に必ず落ち込む営業マンの口ぐせとは?

 毎日の勝ち負けを知るメリットには、「モチベーションの向上」もあります。

 たとえば「毎月500万円」という売上目標を課せられた営業マンがいたとします。

 月末に近づけば、今月の目標を達成できそうかどうかが何となく見えてきますが、月の半ばくらいまでは手探り状態が続きます。

 あちこち電話をかけまくってアポをとり、どれだけ客先を飛び回っても、今日の自分が目標達成に近づいているのか、そうでないのかわからない。自分の努力が足りているのかいないのか、努力の方向性が合っているかどうかもわからない。つまり、今の勝ち負けがわからないのです。

 しかも、今日の結果がはっきりしなければ、「今日はアポがとれなかったけど、明日から頑張ればいいや」とやるべきことを先送りにしがちになります。

 それを繰り返すうちに、月末が近づいてきて、「しまった、全然数字が足りそうにない」と気づくのですが、もはや手遅れ。

 結局、今月の目標を達成できずに終わるという最悪の結果が待っています。