わずか三十数年で8兆円企業へと成長したソフトバンク。多くの企業が日本経済の停滞に苦しむなか、圧倒的な拡大を続けることができたのは、目標を柔軟に変えてきたことが大きい。
ソフトバンクでは今も、6万人超の社員が毎日目標設定し、それを毎日改善している。この柔軟な転換が組織の成長を後押ししているのだ、
では、具体的にどうやればいいのか? 9年にわたり孫社長の右腕として活躍した元ソフトバンク社長室長・三木雄信氏の発売1ヵ月半で5万部を突破した話題のベストセラー『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』から一部抜粋して紹介する。

最初の目標は「仮置き」でいい

 私が決めた「3人」「10分」という目標数値に根拠はありません(第19回参照)

 いくら電話をかけても、相手にすぐ切られてしまったらアポイントにはつながりません。少しでも長く話を続ける中で、相手のニーズを聞き出し、こちらが相手にとって有益な情報を持っていることが伝わって、初めて担当者も「だったら一度、会ってみようか」と思うものだろう。

 こんな仮説をもとに、とりあえず設定しただけです。

 でも、最初はそれで構いません。何事もやってみないとわからないのですから、「どんな数値設定が正しいか」という分析に時間をかけるのは無意味です。

 実行してみて、この中間目標では「月に3件の契約」という最終ゴールを達成できないなら、毎日の数値目標も改善していけばいいだけです。