他人視点を取り入れるためにT型へ
「発想」のためには、異質な「他人の視点」を借りるのが早道です。勉強会にせよ読書会にせよ、たまにはいつもと違う、異質な集まりにチャレンジしましょう。共感だけでなく、疎外感や違和感や、もしかしたら反感を持ちそうな場にあえて。
でも、異質な者同士がつながりあいコミュニケーションするためには、つなぐアームが必要です。共通の関心事や思想があるからこそ、ヒト同士はきちんと話し合えるのです。
T型人材というときの横棒は、そういったヒト同士をつなぐアームそのもの。それがあって初めて、ヒトは異質な他人の視点を得られもするのです。
ここまでが前回の復習。では、その横棒はどうやって伸ばしていけばいいのでしょうか。
でもその前に、横棒って一体ナニモノなのでしょう。
それがわからないままに、頑張っても仕方ありません。
「教養」だというヒトもいます、「幅広い知識」だというヒトもいます。T型は多能工のことだ、とか言われると、横棒がなにだかよくわかりません。
横棒はプロジェクトと社会人大学院で伸ばす
T型人材について述べる経営者や書籍・論文は多くありますが、なぜか横棒の定義が曖昧です。
多いのは「専門外の幅広い知見」というやつです。
何かのプロジェクトを組むときには、多様な専門家が集まります。新幹線で中国との特許戦争をアメリカでやろう、というのであれば、新幹線技術そのもの、知的財産、交渉の各分野で、日本、中国、アメリカをカバーしなくてはいけませんし、それをビジネス面から統括する人材も必要です。
これをつなぐのには自分の専門分野だけではない「幅広い知見」がある人材が必須というわけです。でもここで言う「幅広い知見」とは結局、「多分野の専門知識を持て」ということ。他分野の専門家と意思疎通ができる程度の、基礎的な専門知識を持てと。