日本の投資信託がよくなるにはどうしたら?
中野 ここまでさまざまな日本の投資信託の問題点を話し合ってきたわけですが、竹川さんは日本の投資信託業界が良くなるうえで、何が必要だと考えていますか?
竹川 投資信託は商品選びが大事ですから、どこで買うかの前に、どの投資信託会社が運用する、どういう商品を選ぶかということを重視してもらいたいですね。とくに商品選びの前に、投信を作って運用している投資信託会社についても関心を持ってほしいです。もともとは運用会社の哲学なりがあって、それに沿った商品がならんでいるというのが本来の姿だと考えるからです。
中野 販売窓口である金融機関も、もっと努力する必要があると思います。それは、ノルマを達成するために営業努力をしろということではなく、投資信託を購入しようとしている個人に対して、正しい情報を伝える努力を、もっとする必要があるのではないでしょうか。運用の世界はあまりにも情報格差が大きいので、それを縮める努力を金融機関がやっていかないと、いつまで経っても投資信託は個人の資産運用の中核商品には育たないと思います。
竹川 そういう意味では販売チャネルの多様化も必要でしょうね。たとえば大手ネット証券会社を経由して販売されている投資信託のシェアは、純資産残高ベースで見ると、わずか2%程度です。直販が0.6%程度ですよね。そうなると、残りの97%ほどが、銀行や証券会社などの販売窓口を通じて売られていることになります。こうした構造が変わらない限り、今の投資信託の問題点はなかなか変わらないのではないでしょうか。
中野 私も、こうした販売金融機関の売り方などに疑問があって、直接販売という形で投資信託を提供させていただいているのですが、やはり純資産残高のシェアを今後どうやって伸ばしていくのかということが、大きなテーマになると考えています。
※編集部からのお知らせ
『投資信託は、この8本から選びなさい。』中野晴啓著
『投資信託にだまされるな! 2010年最新投信対応版』竹川美奈子著
好評発売中!
コストが安く、世界に分散投資していて
自動的に積立ができる投資信託を紹介!
30代でも、定年後でも、本当にいい投資信託を買えば、積立だけで3000万円つくれる!
20年以上業界で活躍する運用の超プロが初めて明かす、資産づくりに向いているお勧めの投資信託はたった8本。個人で買える投資信託は2621本もあるのに、なぜこうなってしまうのか。詳しい内容がこの本に載っています。
ご購入はこちら!⇒[Amazon.co.jp][紀伊國屋書店BookWeb][楽天ブックス]
買ってはいけない投信と
本当に買うべき投信が今度こそわかります。
人気の投資信託にはプロの仕掛けた巧妙なワナがたくさん隠されています。本書では、広告例を通じて「投信のワナ」の見破り方を解説し、その後に、数少ない良質な投信の正しい選び方・使い方を公平な立場から、やさしく解説しました。