例えば、単なる“ひとりの旅人”として海外に出かけたとしても、ふと日の丸を背負っているような感覚になることを経験した人も多いはず。とくに、日本人観光客が多く訪れない国や町に行くと、日本人の代表選手のような扱いを受け、質問攻めにあったり、食事をご馳走になったり、家に招かれたりと大忙し。
特別に意識していなくても、自分が日本人である事実を思い知らされることになる。
こうして日本人としてのアイデンティティが形成された結果、日本を捉える目がいままでとは変化する。日本が嫌いであった人が日本の良さを再発見することになったり、反対に日本が大好きだった人が日本社会に疑問を抱くようになったりすることもある。
「かわいい子には旅をさせろ」ではないが、海外経験は人間を成長させるマジックのようなものかもしれない。
たとえ脱出しなくても、
日本脱出を考えることには新しい発見がある
日本脱出を考えて海外に目を向けるとき、誰もが自らの人生を振り返り、正面から自分自身を見つめ直したり真剣に向き合ったりする。このことから、たとえ脱出を実行しなくても、従来の生活とは異なる新たな希望や活力を見出す場合も多い。
また、日本脱出について、いろいろ迷ったり、悩んだりするときの一番の解決策は、「自分にとって一番重要なものは何か」「自分にとって一番の幸せとは何か」といった優先順位を考えること。
その一番大切なもの、幸せだと思うものを手に入れるために、また守るために、海外が適していれば日本を脱出すべきだし、反対に日本のほうが適していれば日本での生き方を模索することもありえるだろう。
例えば、従来からいじめや不登校など子どもの教育問題は、海外移住の動機の中でも確立したポジションを占めている。
東日本大震災による放射能汚染の行方によっては、「とにかく子どもの未来が一番」と考える人にとって日本脱出は切実な問題に発展するかもしれない。
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