日本で髪に悩みを持っている人口はなんと4200万人。それだけの人が、毎日悩み、苦しんでいる。発毛には、毛生え薬や治療だけではなく、健やかな生活が不可欠という。つまり、健康な髪が生える社会は健やかな人々が生きる社会なのだ。リーブ21の代表取締役社長の岡村勝正氏は「人に喜んでもらうことが何よりもの喜び」という。前回に続き、次期社長公募で注目の岡村氏に年商約150億円まで成長させた経営哲学、人が成長するための秘訣を聞く。

次期社長へはリーブ21に
“床屋に行くような気軽さ”を期待

おかむら・かつまさ
1945年1月13日生まれ。1972年大阪府八尾市にて、クリーニング店「サンドライ」を開店。1993年「毛髪クリニックリーブ21」を設立、同社代表取締役社長を務め、リーブ21を年商約150億円の企業に育て上げ、現在に至る。

南 今回社長公募をされることになりましたが、今後、株式上場は視野に入れていらっしゃいますか?

岡村 企業はやはり人材が必要です。より多くの人に企業としての価値を認知していただき、弊社に興味をもっていただきたい。そのために株式公開、そして上場は一つの選択肢です。リーブ21は私がいなくなったら終わりではなく、100年後も続く企業にしていきたいので。ただ、上場すべきなのかどうかは、新しいマネジメントチームが決めるべき課題でもあると思っています。公開しないという選択肢をとる場合は、どう拡大していくのかについて、考えていく必要があると思います。

南 100年後、素敵な目標ですね。たとえばロンドンの街を歩いていて、角にリーブ21があったら、もし私が社長だったら涙が止まらないでしょうね。事業が拡大し、100年後も残る企業になるというのは、産みの苦しみを味わった経営者にとっては喜びもひとしおですね。今後事業の拡大を推進していく上で、次期社長に期待する具体的な目標はあるのでしょうか?

岡村 今弊社の営業所は100弱ですが、少なくとも国内に500くらいは必要だと思っています。お客さまの立場からすれば、営業所が近くになく通うのに時間がかかるという方もいらっしゃいます。気軽に来てもらえる体制構築は必須の課題ですね。たいていの方が週に1、2回は足を運んでいただいておりますから。

 そして、潜在的な顧客は膨大な数です。日本人の3人に1人(4200万人)が髪の悩みをもっていると言われていますが、そのうち弊社の会員は約13万7000人です。これからは、潜在的なニーズを持つ方、つまり深刻になる前の方にもお気軽に利用していただきたいと考えています。