実はmixi自体が、その理論を体現していました。ある人が「mixiっていうおもしろいサイトがあるよ」と友人に勧める。友人もまたmixiの楽しさを知り、別の友人に「これ、おもしろいからやってみなよ」と勧める……。この連鎖によってmixiは、若者を中心にあっという間に浸透していったのです。

「見事に指数関数グラフを描いて広がっていきました。おそらく、他のSNSも似たような推移で伸びていると思います。じゃあゲームをどう流行させようかという時に、同じように『絶対に第一世代からの口コミで広げるべき』と考えたわけです」

実際に会って遊ぶという
スタイルのゲームにすればいい

 この発想は、大多数のオンラインゲームとは根本から異なるアプローチだったと言えます。一般的にオンラインゲームは、事前のプロモーションなどに力を注いで初期のユーザーをいっきに集めるため、グラフにすると、垂直立ち上げの後、グライダーのように漸減していくケースが多く見られます(右図参照)。しかし、木村氏率いるモンスト開発チームは、当初から「そういうグラフをつくったら負けだ」という考えを共有していたといいます。

 では、どうすれば第一世代からの口コミでゲームを伝播・流行させることができるのか? 行きついた答えはシンプルでした。

「実際に会って遊ぶ。そういうスタイルのゲームにすれば、集まるのはおのずと第一世代の人になるわけですから、どんどん広がるに違いないと」

 こうして、「携帯端末を持ち寄り、最大4人までが同時に遊べる」という特徴を持ったモンストが開発されるに至りました。