三井ホーム社長 生江隆之<br />将来に備え構造改革を実施<br />福祉施設など非住宅を強化Photo by Kazuhiko Kurabe

──3月11日の東日本大震災の後、住宅メーカー各社はユーザーへの対応に追われた。

 三井ホームはどちらかといえば、首都圏の比率が高い。それでも今回の震災では、岩手、宮城、茨城など震度6弱を記録した地域のなかに7700棟があり、約100日かけて、ほぼすべてのお客様と連絡を取った。当初は資材の不足も深刻だった。ベニヤ合板業者の工場の約3分の1が石巻に集中しており、洗面化粧台やトイレなどの資材も入らなかった。3月に予定していた住宅約100棟の引き渡しが翌月以降にずれ込むというトラブルもあった。

──2010年度の住宅着工戸数はエコポイント制度や税制優遇措置などの政府の住宅取得支援政策もあり、前年度の約78万戸から約82万戸まで回復した。今年度も住宅業界の受注件数は堅調に推移している。

 震災以降は、被災地以外でも建て替え需要が増しており、受注の活力は高い。弊社でも、4月以降、戸建て注文住宅の(累計の)受注状況は前年同期を上回っている。今年度は政府の住宅取得支援も続いた。住宅着工戸数も80万戸程度とほぼ前年度並みになるのではないか。