高齢化が進む現代、日本の65歳以上人口のおよそ6人に1人、約593万人が1人暮らしをしている。その人数は15年前の2倍近い(総務省統計局「平成27年国勢調査」より)。
高齢の親と離れて暮らす家族にとっては、「独りで倒れていやしないか」「寂しい思いをしていないか」と親の生活を案じながらも、忙しさや距離の問題から頻繁に訪問するのはなかなか難しいのが実態だろう。
そんななか、離れた家族が高齢者の状況を把握できる、多様な製品・サービスが登場している。
例えば、人感センサーを備えた機器を高齢者宅に置くことで、室内の人の動きがない場合に家族に安否確認を促すメールを送信したり、スタッフが駆けつけたりするサービス。あるいは、水道に取り付けた機器によって水道利用状況を収集し、活動状況や異変について家族にメールを送信するサービス。また、室内の様子を映像で確認できるモニターカメラは多機能化しており、音声のやりとりができるタイプや、温度センサー付きで気温差をケアできるタイプなどもある。
しかし、こうした機器によるサービスは、家族の負担が少なく便利である一方、見守られる側にとっては「監視」されているような気持ちになることもあるのではないだろうか。
そこで注目したいのが、郵便局がこの10月から始めた「みまもり訪問サービス」。直営郵便局の社員などが高齢者宅に月1回訪問し、30分程度の会話を通じて生活状況を確認した結果を家族に伝えるというものだ。全国に約2万ある直営郵便局のネットワークを活用した同サービスの狙いについて、日本郵便広報室はこう語る。
「日本が直面している超高齢社会において、郵便局の強みを活かして地域社会に貢献するとともに、将来的には、郵便局ネットワークの価値向上や顧客基盤の強化につなげていきたいと考えております」