最近は、洋服などの身の回り品も修理して、長く使う消費者が増えているようです。このため修理を行うリフォーム専門店も繁盛しています。そこで田中さんは、サイズが合わなくなったジャケットをリフォーム店で修理しようと考えています。
地元の洋服リフォーム専門店をいろいろと調べてみましたが、2つの店(甲店と乙店)が選択肢に上がってきました。どちらの店も小さな店です。店頭表示価格では大きな違いがありません。仕上がりまでの時間も1週間から10日は必要ということです。2つの店の店頭ではパートを使っているらしくて、接客対応はまあまあです。通常のリフォームなら、技術的なレベルにも大きな差がないという情報を得ています。
違いは、甲店は広告などを一切行わず、リフォーム内容によっては、店頭価格より安くしたり、ケースによっては高くなる可能性もあるということです。乙店では、明瞭価格の観点から、割引などの価格変更はしないということです。甲店は車で30分くらいのところにあり、乙店は徒歩圏にあります。気に入っているジャケットなので、価格が一定でぶれがなく、近くにある乙店の方が、便利で信頼できる感じをもっています。でも価格交渉が可能な甲店も捨てがたいのですが……。
もし、あなたなら、甲店、乙店のどちらの店に頼みますか。その理由は何ですか。
乙店が安くしないのは何故か
甲店が、店頭価格より安くしたり、高くしたりするのはなぜでしょうか。価格競争をしているのでしょうか。低価格志向のお客をつかもうと必死なのでしょうか。
甲店・乙店とも、店頭表示のリフォーム料金に大きな違いがなく、技術的なレベルにも差がなく、パート店員ながら接客にも違いがありません。この条件では、価格が低い方の店にたくさんお客は集まるでしょう。ならば甲店と乙店と比較して、価格が安い方を選ぶという行動に出るでしょう。しかし甲店が価格を上下させるため、両店の価格優位性は、よくなったり悪くなったりです。最後は、唯一の違いである距離が近い店を選ぶことになるでしょう。そうすれば徒歩圏の乙店を選ぶことになるのではないでしょうか。