ただし実際には給与収入によって負担額はさらに増える

 しかしながら、前述の税額計算では給与所得があることを加味していない。実際の税額計算においては、「総合課税」といって他の所得も合算して税額を計算する。したがって、サラリーマンで年収400万円の人と1000万円の人では負担税率も変わってくるという仕組みだ。

 さらにややこしくなるが、「給与収入」と「給与所得」とはイコールではない。複雑なので、ここでは詳細は割愛するが、給与の場合、給与所得控除という控除が引けるので、仮に給与収入が400万円の方は給与所得が266万円、給与収入が1000万円の人は給与所得が780万円と算定され、この所得がベースとなり、仮装通貨にかかる所得(利益)を加算する形となる。

 したがって、税負担の増加(実質的な負担)という観点だとビットコインで80万円の所得がある人は、給与収入400万円の場合で9万6000円の税額アップ、給与収入1000万円の場合で18万4000円の税額アップと2倍近く税負担額が変わる。

 同様に、ビットコインで200万円の所得がある人は、給与収入400万円の場合で33万6000円、給与収入1000万の人だと54万円もの税負担増加となってしまう。

 利益に対する税負担率も計算してみたので参照してみてほしい。

初めてのビットコイン確定申告、利益は「雑所得」で他の所得と通算

その他に住民税10%の負担も

 さらには忘れてはならないのが住民税だ。具体的には市民税とか区民税という名称で翌年の6月から1年にわたり給与から天引きされている税金である。

 こちらの税率は、所得税とは別途約10%の負担となっている。したがって、ビットコインで80万円の利益を出した人は上記の負担額に8万円、200万円の利益を出した人は20万円の追加の税負担がある。これは3月の確定申告の後、6月以降に請求されるので非常に負担が大きい。

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 2018年のビットコイン相場を見ると、急落が続いている。2018年1月~12月にどのような仮想通貨投資の成果が上げられるかは、まだ相場が不透明なため分からない。仮に年末にかけて再度上昇して、その中で利益確定をして、所得金額が20万円以上となれば、2019年2~3月に確定申告が必要となる。

(経済ジャーナリスト 森山 健)

監修:中川保弘(税理士、トライデント会計事務所代表)
静岡県出身。明治大学経営学部経営学科、明治大学大学院政治経済学研究科修了。複数の会計士事務所や税理士法人での勤務を経て、2012年、トライデント会計事務所(東京・千代田区)を開設。