トヨタが国内営業を
地域体制に踏み込む
トヨタ自動車は今年1月から国内営業体制を従来の販売チャネルごとの「タテ割り組織」から地域ごとの「ヨコ割り組織」に転換した。トヨタが国内販売を地域営業推進に移行したことは、トヨタ国内販売史上で歴史的な転換点ということであり、その動きが注目されている。
トヨタの国内販売を統括する国内販売事業本部は、この地域営業への転換にともない組織を大幅に変更し、新たにモビリティサービス企画部、デジタル基盤開発部を新設した他、国内企画部やバリューチェーン事業部を再編した。
トヨタにとって国内販売は、全国の複数チャネル販売網の強さに支えられてきた歴史がある。
現行のトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店のトヨタブランド4チャネルにレクサス店を加えた5チャネル体制が国内販売トップの座を維持してきた原動力なのである。トヨタ自動車としても、国内営業部門はこのチャネル販売網を支援・管理するタテ割り組織を、旧トヨタ自販以来継続してきた。
このチャネル営業部体制から地域営業部体制への変更は、まさしく大きなチャレンジ。
その背景にはグローバル化戦略が進む中で日本国内市場の縮小化と地域格差の広がりなどがあり、自動車販売におけるビジネスモデルの転換や多角化への挑戦ということになる。
トヨタとしては、販売店のチャネル再編までは踏み込まないとしているが、レクサス国内営業部はこれまでの国内販売事業本部からレクサス・インターナショナル・カンパニーに移管しており、今後、トヨタブランド4チャネル販売網は地域を重視した改革に踏み込んでいくことになる。