自動車大手の2017年世界販売実績で
トヨタグループは3位に転落
自動車大手の2017年世界販売実績でトップ3に異変が起こった。
1位は、独フォルクスワーゲン(VW)グループで1074万1500台、世界販売過去最高を更新して前年比4.3%増。2位がルノー・日産・三菱自連合で1060万8300台、同6.5%増。そして、3位がトヨタグループで1038万6000台、同2.1%増。
これにより、VWが2年連続で首位を守り、2016年に三菱自動車を傘下に収めたルノー日産の3社連合がトヨタを抜いて2位に浮上、トヨタも過去最高の販売を示したものの3位に後退する結果となった。
世界の自動車大手といえば、20世紀までは米国のゼネラル・モーターズ(GM)、フォードモーター、クライスラーの米ビッグ3が長い間、世界の自動車業界を牽引してきた。それが21世紀に入り、2000年代前半から2008年のリーマンショックを契機として米ビッグ3が凋落したのに対し、日本のトヨタとドイツのVWが世界覇権を争う構図に大きく変化した。
トヨタvsVWという世界ビッグ2に割り込んできたのが、カルロス・ゴーン氏率いるルノー・日産・三菱自3社連合だ。2016年に燃費データ不正問題で窮地に陥った三菱自動車を日産の傘下とし、2017年から正式に日仏アライアンスによる3社合計の世界販売が計上されるようになったのだ。
2017年上期段階ではこのルノー・日産・三菱自連合の世界販売が早くもトップに躍り出て注目された。だが、通年では14万台差でVWが抜き返し、トップを確保した。
一方、2010年代に入って2015年まで4年連続で世界の首位を確保してきたトヨタは、2016年でVWに首位の座を明け渡し、2017年には3位に転落した形となった。
だが、この世界ビッグ3の構図の裏には事情がある。