日本が輸出を目指す防空レーダーFPS-3。戦闘機に加え、ミサイルも探知できるよう改良された 写真提供:航空自衛隊

 タイが3月に行う防空レーダーの入札に三菱電機が参加する。日本政府もレーダーの運用支援などで提案に加わる。安倍晋三首相の肝いりで始まった武器輸出は掛け声倒れに終わっている。相手国のニーズを見誤った過去の反省を踏まえ、売り込みを成功させることができるか。官民の提案力が問われている。

 輸出を目指すレーダーは航空自衛隊が1991年から運用する「FPS-3」だ。26年間にわたって敵の戦闘機や弾道ミサイルを監視してきた実績があり、「性能は申し分ない」(元航空自衛隊幹部)。

 タイ政府は早ければ4月にも結論を出す。FPS-3が選ばれれば日本初の本格的武器輸出となる。

 政府は2014年に武器輸出の要件を緩和したが、その後、オーストラリアへの潜水艦輸出に失敗。この他にインドには救難艇、ニュージーランドには空から潜水艦を探知する哨戒機を売り込んだが契約には至っていない。

 タイに輸出を目指すレーダーの価格は10億円超とみられ、総額4兆円超だった対豪潜水艦輸出に比べて小粒感は否めない。

 だが、「輸出できれば同系レーダーの連続受注や戦闘機との通信、情報処理装置の受注など波及効果が期待できる」(政府関係者)。撤退する企業さえある斜陽の国内防衛産業にとっては朗報になる。