インデックス投資全盛の今こそ選別投資が重要!

 過去10年間、全体の約6割に達する銘柄が上昇してきたのだから、当たりを引き当てる確率のほうがはるかに高かった。にもかかわらず、多くの投資家はハズレばかりに手を出していたのが悲しい現実だろう。

 しかも、プロが運用する日本株のアクティブ投信の大半も、ほとんど似たような結果だった。日経平均やTOPIXといった株価指数を上回る成果を目指しながら、虚しくもそれが適わなかったのだ。

 「ならば、最初から平均点を目指したほうが無難だ!」

 そこで、にわかに盛り上がってきたのがこうした考え方である。特定の指数に運用実績が連動する投信で着実に平均的な成績を獲得していくというインデックス投資だ。

 ここ数年、日本株の低迷とともに投資家の間で支持層が拡大しているが、辣腕ファンドマネジャーの藤野英人さんはこう指摘する。

 「インデックス投資をすると、自動的にダメな大企業に自分の資金の多くを注ぎ込んでしまう結果に。そのうえ、インデックス投資が広まれば広まるほど市場の効率性は悪化し、その有効性も低下します」

 そもそも、日本の平均株価はダメな大企業が足を引っ張り続け、極めて低水準の推移しか残してこなかったのは周知のとおり。もはや大企業(大型株)やインデックス投資と決別しない限り、まっとうな成果は得られないのだ。

業績がいい場合の低評価はいずれ必ず修整される

 インデックス投資を通じてお金が入ってくることで、ダメな大企業の株価は妥当な水準よりも割高になる。その一方で、とてもいい会社なのに時価総額が大きくないという理由だけで中小型株にはお金が流れず、不当に割安な水準に放置されがちに……。

 「しかし、こうして市場における価格形成の歪みはやがて修整される宿命なので、私たちアクティブ投資家にとってはいい会社を安く買える絶好のチャンスです」(藤野さん)

 では、具体的にどうやっていい会社(成長株)を選び出せばいいのか? 藤野さんは下記の5つの鉄則を挙げる。