米朝首脳会談が5月までに開催されることが合意されている。驚くべき急展開だが、成功のためのハードルは高い。しかし失敗すれば朝鮮半島の緊張は極限に達するだろう。決裂ということになれば、そのコストは日本にとっても、とても大きい。首脳会談を成功させなければならないが、そのために認識すべき点も多い。
米朝の交渉文化は大きく異なる
力を背景にするのは逆効果
私は日米経済摩擦が最も厳しい時に米国との貿易交渉を担当(1985-87年)し、また海兵隊員による沖縄の子女暴行事件で沖縄の反基地闘争が頂点に達した時には、米国との安保・基地縮小交渉を担当(1996年-1998年)した。
一方で小泉元首相の訪朝に至る一年間、北朝鮮と水面下の交渉にも携わった(2001年-2002年)。
米朝両国との交渉経験から思う事は、米国と北朝鮮の交渉態度は両極端と言っていいほど大きく異なるという点だ。このことを十分、理解していないと、会談は失敗するリスクがある。