合意形成の過程では、タイプや役割を意識した上で、その人たちをどのように機能させるか、という対処が必要だ。人は何人か集まると、なんでもかんでも反対する人、その件にだけ反対する人、どうでもいいと思っている人、賛成する人などに分かれるものだ。これを「人数が多くまとまらないので、進められません」では通らない。

 何にでも反対する人は、とにかく仕事をしたくないだけなので、無視して見切ればよい。その件についてだけ反対する人は、強硬でも、原因を見極めて対処すればいい。どうでもいい人は、しょせん日和見で、会議の流れ次第で意見を変えるため、会議の流れを工夫すればよい。賛成の人は、その影響力を周りに行使してもらうべく、うまく取り込んでインフルエンサーとして活躍してもらう。

 このような役割分担は、一般化すれば、授権範囲の適切な判断、影響範囲の正確な見積もり、事前警告の発信、事後対処とまとめることができる。これらも場数を踏むことでその目が養われ、適切な対応ができるようになる。

 よく、大企業の歯車にはなりたくないという言い方をする人がいるが、人間が一人で生きられない以上、誰しも社会の歯車なのだ。チームプレーをしながらその中で個人プレーをする、個人プレーをしながらそれがチームプレーになっているといったように、チームプレーと個人プレーを上手に配合しながら、組織や社会の中で、そのときどきの役割を果たし、機能していくのが生きていくことである。大規模組織活動も、チームプレーであり、かつ個人プレーの積み重ね、総体なのだ。

【メリット4】
「異動」ができることで、
自分の適性を知り、人間関係や思考も多様に

「腰掛け管理職」のような、1、2年おきといった極めて短い期間で異動して、自部門の事業や人を育てることに関心のない管理職の在り方には私は反対なのだが、異動自体には大きな意義がある。人は異動によってはじめて、自分の適性を知ることもある。経験する部署が増えれば、それだけ知っている人や取引先の数も増え、人的ネットワークの多様性が生まれる。今までと違った部署の違った人の考え方に触れることで、思考の多様性も生まれる。