◇サイボウズではどのように楽しく働いているのか
◇「フラスコ理論」でアイデアを生み出す

「画一的」であることを重んじてきた日本人だが、生活必需品が普及するにつれ、「みんな」が欲しがるものはなくなってきた。そして価値観が多様化するなかで、画一的に働くことで生み出されてきた製品やサービスは魅力を失ってしまった。つまり、人材の多様な個性を生かして面白い企画を考え出さなければ、競争力を失ってしまうのだ。

 そのような課題を解決するためにサイボウズが辿り着いたのが、「フラスコ理論」というマネジメント手法だ。フラスコに多様な人材を入れて混ぜてみることで、化学反応が起き、アイデアが生まれるというイメージだ。ビーカーではなく、口が絞られたフラスコにたとえているのは、ビジョンが明確であることを表している。個性的な人材が入っているものの、全員がビジョンに向かって方向づけられていることで、気持ちが一つにまとまっているのである。

 これは、多くの日本企業とは対照的だ。多くの日本企業では、本来多様だったはずの人材を同じように働かせ、同じように給与を与え、同じように昇進させることで、似たような人材に集約させてしまっているのだ。結果として、化学反応が起こりづらく、アイデアが生まれにくくなっている。

◇化学反応に欠かせない「公明正大」と「自立」

 多様な人材が化学反応を起こすために欠かせないのが、「公明正大」と「自立」という触媒だ。

 公明正大とは、嘘をつかないことと情報を隠さないこと。互いに嘘をついた状態で引き起こされた化学反応は、成果に結びつかないだろう。また、情報を隠したままフラスコを振っても、化学反応は起こらないかもしれない。

 自立とは、問題を自分ごととしてとらえ、主体的に行動するということ。積極的に意見を出さなければ、フラスコは無反応に終わってしまう。

「公明正大」と「自立」という触媒がそろい、面白い化学反応が起こると、それに興味を持った人がフラスコの中に集まり、混ざり、さらなる化学反応を起こすことになる。社員に限らず様々な背景から意見が出され、その掛け合わせが面白いアイデアへと昇華されていくのだ。