ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

未来の事業は
メガトレンドの「整理」からは生まれない

PwCコンサルティング
【第3回】 2018年7月31日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
2
nextpage

Step1:情報収集(Scan)

 最初のステップでは、メガトレンドの整理に必要な外部情報の収集を行う。限られた工数で必要な情報を収集するには、世の中に無数に存在する情報源から適切なものを選択する必要がある。最初に、関係するレポートや書籍などの情報源を可能な限りリストアップする。その後、情報源を評価することで調査対象を絞り込む。

 情報源を評価するためには、記載されている情報の有効性を評価する必要がある。評価視点や基準は企業毎に異なるが、今回は、部品メーカーの活動においても用いることができる5つの評価視点を紹介する。(図表2)

●対象時期
情報源に記載された予測期間の長さを評価する。適切な期間は、情報収集の目的や、事業特性に応じて変化するが、未来創造活動では、10~20年程度の未来を対象とすることが多い。10年未満では、現在の延長線上の検討となってしまい、新しい取り組みにつながりづらい。一方、20年以上先の情報については、人口動態など特定の情報以外においては、不確実性が高く、情報の信頼性が低い傾向にある。業界の特性を踏まえ、適切な期間の情報が掲載された情報源を用いることが重要だ。

●対象地域
記載された情報の地理的範囲を評価する。グローバルに渡る情報を記載しているのか、ある特定の地域(複数の国家のまとまり)を掲載した情報なのか、または特定の国家を対象とした情報かを評価する。通常、グローバルに俯瞰した情報を掲載する情報源を高く評価する。

●対象分野
自社の事業ドメインに関連する情報が記載されている可能性を評価する。メガトレンドを扱う情報は対象範囲が広すぎるため、自社事業とは関連を見出せない情報を用いてしまうことがある。業界動向、直接顧客動向、最終消費者動向、技術動向など、多様な視点で自社事業との関連性を判断する。

●定量性
定量的なデータを用いているかを評価する。一般的には、定量的なデータに基づく予測であるほど、信頼性が高い。一方、デルファイ法など専門家による意見の集約に基づく定性的な情報も、ある程度の信頼性がある情報源として活用できる。

●作成機関
情報を作成している機関の信頼性を評価する。国連や政府組織が発行しているレポートは、信頼性が担保されていると考えられる。また、グローバルシンクタンクや業界団体によるレポートについても、一定の信頼性があると考えられる。

 リストアップした情報源に対して、評価視点毎に評価を実施する。重要な視点に対しては、評点に重みをつけるなどして、合計値が高い情報源を調査対象とする。リサーチャーの工数と予算に応じて、収集する情報源の数を調整し、効率的に取り組むことが望ましい。

 リサーチ対象を絞り込んだのち、各情報源にアクセスし、掲載されている未来の事象を抜き出して整理する。未来の事象とは「2050年に世界の7割の人口が都市部に住む」「2020年代後半に自動運転システムのレベル4が実現される」のような形式で表現することができる。

previous page
2
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

日本のモノづくりを支えてきた部品メーカーが、デジタル大変革時代に岐路に立たされている。これまでの製品メーカーからの発注を待つ受け身の姿勢を変え、自ら未来を想像する発想の転換と実行態勢の構築が求められるが、具体的な方法論が見いだせない。この状況を打破するためのヒントを提供する。

「デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道」

⇒バックナンバー一覧