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デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

未来の事業は
メガトレンドの「整理」からは生まれない

PwCコンサルティング
【第3回】 2018年7月31日
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Step3:未来の洞察(Foresight)

 冒頭にも記載した通り、多くの企業は、中期経営計画、研究開発戦略などの策定を目指した活動において、外部環境分析の一環としてメガトレンドの整理に取り組んでいる。そして、メガトレンドに対して、自社事業へのインパクトを評価し、対策を検討している。このように、将来の変化に対して対策を検討するアプローチは、既存事業の拡大および収益性向上の観点からは有効であると考えられる。しかしながら、不確実性の高い未来において競争力を高めるためには、トレンドの変化に受け身になるのではなく、部品メーカーであっても自らトレンドを創造する姿勢が重要だ。

 未来創造活動においては、メガトレンドに対して深い視点で分析を行い、未来の事業の種となる洞察を得ることを目指す。本記事では、不確実性の高い未来を注視することで、「変化の兆し」と「価値の変化」という2つの洞察を得るための考え方を示す。

 「変化の兆し」とは、メガトレンドを作り出す鍵となる事象を指す。過去のメガトレンドを振り返ると、大きな潮流を決定づける重要な変化を発見することができる。ただし、そうした「変化の兆し」は通常、過去のトレンドを分析することで初めて判明する事象だ。未来創造活動においては、未来の事象の関係性に着目することで、未来の「変化の兆し」となりうる事象を特定することを目指したい。「変化の兆し」を洞察するためには、以下のような特定の関係性を持った事象に着目することが有効である。(図表4)

●始点(starting point)
トレンドに大きな変化が発生するときのきっかけとなる事象を指す。始点となる事象を対象として事業創造に取り組むことで、トレンドの先駆者として機会を掴める可能性がある。

●終点(end point)
トレンドが変化し、最後に到達する事象を指す。本トレンドに至ることを念頭に、時系列に遡って関係する事象に着目することで、変化の兆しを特定できる可能性がある。

●対立(ramification)
異なる変化を示す複数の事象を指す。不確実性が高いため、どの変化が起こる可能性が高いかを見極める必要がある。また、複数の分岐のうち、特定の事象を選択し、積極的に取り組むことで、トレンドの変化を促す役割を果たすことができる。

●要石(keystone)
過去の事象が集結し、未来のトレンドに向けて分岐する部分に位置する事象を指す。事業創造において検討すべき、重要な事象である可能性が高い。

●循環(cycle)
循環する事象を指す。循環を発生させるトリガーとなる要因を検討することで、新しい機会を見出せる可能性がある。

●一匹狼(loner)
他の事象との関係性が見えない事象を指す。関係性を持たないため、誰も着目していなかった新しい機会である可能性を持つ。

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日本のモノづくりを支えてきた部品メーカーが、デジタル大変革時代に岐路に立たされている。これまでの製品メーカーからの発注を待つ受け身の姿勢を変え、自ら未来を想像する発想の転換と実行態勢の構築が求められるが、具体的な方法論が見いだせない。この状況を打破するためのヒントを提供する。

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