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デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

ありえないような未来像にこそ
明日の危機とチャンスが潜んでいる

PwCコンサルティング
【第4回】 2018年8月31日
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ポイント2「ひとつの世界の複数のシーンを描くこと」

 未来シーンを成立性のあるものにするためには、未来シーンを断片的に描くだけでは不十分である。例えば、「AIが発達し、人の仕事が減る」という一つのシーンだけを考えるのではなく、「仕事が減った人は何をしているのか、趣味をしているのか」「趣味は行なっている人にとっては趣味だが、顧客を見つければ仕事にならないか」「AIを開発する人や保守する人の仕事はないのか」「今はない新たな仕事ができていないのか」など、1つのシーンにつながる様々なシーンを描かなければ、成立性のある未来シーンにすることは難しい。これは論より証拠で一度実践してみることをお勧めする。

 ある1つのシーンを描き、別の時間帯、別の場所、別の人がどうなっているかや、考えたシーンと現在の差異を分析し、つじつまが合わないところは修正していく。すると、考えたシーンだけでは成立性のあるシーンになっていないことが実感できるはずである。つながりのある多数のシーンがあると、より説得力のある未来シーンとなる。

 このことが部品メーカーにとってポイントとなる理由を述べる。先ほど述べたとおり、部品メーカーは、何かを実現しようとした際の、ある要素を担うことが強みとなる可能性が高いため、皆が考えるようなシーンの裏や細部でどのようなことが行われなければならないかを考えることで、価値提供できることを見出せる可能性が高くなるためである。

 また、1つの世界の複数のシーンを描くことで未来を創造できる可能性が高まる。大概、最初に描かれた断片的なシーンは、多くの人が思いつくような象徴的なシーンであるため、グローバルプラットフォームを握っているGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)でもなければ、実現が困難なものが多い。しかし、あることを実現する際に必要なことや、あることが実現した際に付随して起こることを数多くひも付けて考えると、未来の世界の「からくり」が見えてくるため、自社が影響を与えられることを見出しやすい。断片的にシーンを描くだけでは、未来は「想像」できても、未来を「創造」することはできない。

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デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

日本のモノづくりを支えてきた部品メーカーが、デジタル大変革時代に岐路に立たされている。これまでの製品メーカーからの発注を待つ受け身の姿勢を変え、自ら未来を想像する発想の転換と実行態勢の構築が求められるが、具体的な方法論が見いだせない。この状況を打破するためのヒントを提供する。

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