就活ルールが廃止されても
就活サイトがあれば鬼に金棒?

 しかし、就活の解禁日がなくなってしまうと、学生はどのようにして就活のスケジュールや作戦を立てればいいのだろうか。

 実は、日本ではこの点をそれほど心配する必要がない。経団連がルールを廃止しても、就活全体のタイムキーパーの役割はリクナビやマイナビなどの就活情報サイトが担うことになるからだ。

 もともと情報サイトというものは、売り手と買い手の間の情報の非対称性を埋めるためのインフラである。毎年新卒を採用している企業に比べて、一生に一度の就活を行う学生の方が、世間や就活プロセスそのものに対しては圧倒的に情報量が少ない。一方で企業の側も、市場全体の採用活動の進行度がどうなっているのかについては情報量が足りない。

 そういった情報不足を補ってくれるのが就活情報サイトである。そして経団連のルールが廃止されるようになれば、就活情報サイトはより正しく情報を提供できるようになる。「○○という会社を体験していただくためのセミナーです」と書く代わりに、「就活生に向けた会社説明会です。実際の採用活動は、合計3回の説明会が終了した1週間後に始まります」というように、より正確な情報が示せるようになる。

 さらには、各企業に対して採用戦略をアドバイスするのが就活サイトだという点でも、マーケットメイクをしやすいという利点がある。企業に対して「大学3年生を対象とした夏休みのインターンで採用枠の3割を埋めましょう」と提案するのであれば、サイト上でも今よりも一歩踏み込んで、「大手企業の採用枠の3割を占める夏のインターンのエントリーが、○月○日から150社で一斉に始まります」といった形で告知できるようになる。

 そして、大っぴらに情報を掲載できるようになることで、多くの学生が間違えたり、出遅れたりしなくても済むようになる。そう考えると、就活ルールの廃止はやってみたら意外といい結果を出すのではないかと、私は思うのだ。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)